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転職

薬剤師を採用したい!そのコツを福利厚生から読み解き魅力的な人材確保を

福利厚生というのは割と大事で、働く人にとっては貴重な存在ですし、なにより採用側からしても大きなアピールポイントとなりますよね。

各社、募集要項などに、薬剤師採用のコツが隠されているんです。それを分析したのがこの記事です。

様々な求人情報を見てみると、各社各様、多くの福利厚生を用意していますが、一方で殆ど記載が無い会社も多いのが事実。これは非常にもったいない事なんです。

「うちの会社は福利厚生なんか大して無いしな」

といった場合でも大丈夫。

ここでは私が多くの会社(薬局・ドラッグストア・病院)の求人情報を調べ、福利厚生を分類・解説しつつ、求人票におけるおすすめの福利厚生の書き方について解説していきます。

今回は薬剤師の採用担当として記載するので、薬剤師募集を掛ける際に少しでも参考にして頂ければな、と思います!

実際私自身、働く薬剤師ですし、そういう視点も入れています。

なお、いくら魅力的な求人票を作成できたとしても、「見てもらう」事がなければ意味がまったくありません。ハローワークでは無理です。

もちろん転職したい薬剤師を斡旋してくれる人材紹介会社にお金を積めば、それは採用できます。ただお金が掛かるのも事実。

薬剤師人材紹介業者に頼らず、低コストで薬剤師採用をしていくのは命題ですよね。

ただやはり、中小規模以下の薬局・病院だと薬剤師の採用はとても厳しいです。新卒ならなおさらですよね。

この記事は、主に「薬剤師募集要項」を充実させる事が、少しでも薬剤師採用を上げるためのコツという結論です。

ただ、そもそも会社のホームページが見られないと全く意味が無いんですよね。

そのため、何十人も採用するのでなければ、薬剤師に関してはは紹介会社を通して採用するほうが時間・コスト面で結局は得です。

薬キャリエージェント(薬剤師採用)

採用はなかなか難しいもの。コツだけでは限界があるので、いかにコストを掛けずに自社を広告出来るかは大きな鍵ですね。

少し脱線しましたが、薬剤師採用のコツとして理想的な募集要項を作成していきましょう!

薬局などにおける福利厚生の種類

福利厚生は様々です。例えば、病院などはその大きな人数規模から、薬局・ドラッグストアでは導入出来無いような物もありますよね。

しかし福利厚生の欄に、労働基準法で定められているもの(「有給休暇あり」など)を記載している会社もあり、それは福利厚生とは言えません。

ただ転職者からすると、少しでもボリュームのある福利厚生の方が見栄えが良く映り、採用する側でもなるべく記載する方がベターです。

労働基準法に関するQ&A(厚生労働省)

育児・介護休業法について(厚生労働省)

法定上存在し、記載する必要が無い福利厚生

労働基準法および育児・介護休業法等で定められているため、福利厚生としては記載の必要がありません。

ただ、もし法定基準よりも良い制度を持っている場合は、非常に従業員に優しい会社と言えます。これは積極的なアピールポイントなので、しっかりと記載したい所。

以下、記載は実際の求人情報を元に抜粋したものです。

・社会保険制度

・各種休暇(有給休暇、産前産後休暇、育児休業、介護休業、育児短時間勤務制度)

・健康診断

▼社会保険については、1薬局経営などでは未加入の事もあり。

▼求人票には記載が無かったものの、「生理休暇」「子の看護休暇」も法で定められたもので、必ず就業規則に記載がある筈です。この休暇を有給扱いとしている会社もあります。

モデル就業規則について(厚生労働省)

▼各種制度は法定制度を上回る会社も少し存在します。例えば、大手ドラッグストアなどでは、育児短時間勤務制度が「子が3歳まで」を大きく上回る会社も存在し、これは非常に充実した制度と言えます。

▼当たり前過ぎるのか、記載のある求人が少なかった印象ですが、「年末年始休暇」「夏季休暇」「慶弔休暇」などは、求人票に記載が欲しい所。

大手チェーンに勤めてる薬剤師は知らないかもしれませんが、休みが日祝のみ、4週6休など、年間休日が少ない薬局はかなり多いのです。

完全週休2日+祝日+夏季+年末=123日くらいが目安となります(年で変動あり)。やはりお休みは、最大の福利厚生と言えますね。

▼健康診断は労働安全衛生法で実施が義務付けられています。補助金の有る無しまで踏み込んだ記載のある求人はありませんでしたが、補助しているのなら記載しましょう。

実質的に賃金とみなせる福利厚生(手当など)

実質的な賃金を上げるには、休暇を増やす、あるいは有給休暇の取得率が高い職場とする事が最善ですが、うまくいかないのも事実ですよね。

そこで基本給などには含めず(時間外手当の基準や賞与に反映させない)、手当等として給付されている福利厚生を抜粋します。

労働者にとって基準内賃金(≠基本給)が本質的に重要ですが、殆どの場合、月給や年収ベースでしか見ておらず、基本給は低めに抑えつつ、手当でカバーするのが得策です。

・住宅手当

・借上げ社宅(住宅手当よりも、企業・労働者双方にメリット大)

・地域手当(寒冷地等)

・研修認定薬剤師手当

・社員割引制度

▼家賃については借上げ社宅の方がメリットが圧倒的に大です。会社側も節税メリットが生じます。転居し、就職したい人は要注意点です。
自分で借りて4万円の補助だと手取りは3万円程になりますが、会社が借りて4万円控除(天引き)だと所得税等が減ります。
(社会保険料も減るのも大きなメリットですが、将来貰える年金額が減るのがデメリットです)

▼認定薬剤師手当は、基準内賃金とする必要があります。

手当については恐らくかなり様々なものが存在している筈です。各種手当は働く人にとっては削られる恐れの大きいものですが、ただ簡単に削るのは経営赤字などで無い限り危険をはらんでいます(不利益変更に該当)。

給与交渉や退職志願者を引きとめるために、安易に手当を乱発すると、収集がつかなくなるので慎重にしたい部分ですね。仕事の出来る薬剤師にだけ、こそっと付けましょう。

勉強の提供機会を福利厚生とするもの

薬剤師であれば自主的な勉強は基本ですが、自己負担だとお金が掛かるのも事実。

地域体制加算を算定するには認定薬剤師が必要条件となっている事から、そこに係る研修費用負担する薬局が多いようです。

実際補助しているところも多いでしょうから、記載すべき内容ですね。結構「研修が整っている」事を重要視する学生が多いんです。

・e-ラーニング補助制度

・社内および社外研修

・通信講座補助制度

・海外研修

▼「研修制度が整っている」というのは、薬学生にも大変受けが良いものです。行っている社内研修は積極的にアピールしていきましょう(例:接遇研修、薬局内研修、教育担当研修、階層別研修など、ひたすら盛りだくさんが吉)
社内講師だと内容が微妙ですが、外部講師は高いので仕方ありません。

▼薬局では医療安全の研修を年2回行う必要があり、研修をしていないという事はあり得ません。全体として手厚く無いなら「各種研修」でまとめて記載もありです。

▼海外研修は全ての従業員というよりは、優秀選抜者のみのケースが多い。

蛇足ですが、私の友人は某有名アパレルで営業全国1位となり、海外研修と称しヨーロッパ豪華ホテル旅行でした(100万~)。

凄いと思いますが、月の手取りは15万円程。アパレルはひどい企業多めですね。海外研修はご褒美なのか、真面目な研修なのか、位置づけを明確にしたいところ。

大手チェーンだから出来る充実した制度

これは中小規模の経営だと、そもそも導入出来ない場合があります。会社のスケールメリットを生かした福利厚生です。

・確定拠出年金制度

・財形貯蓄制度(中小でも導入可)

・団体扱い生命保険

・託児所(病院)

・従業員持ち株会

▼単に退職金制度と記載しか無い場合、おそらく中退共で、定年まで働いても支給額は年収以下程度です。確定拠出年金制度(401K)がある会社は非常に恵まれていると言えます。401Kには負けますが、個人で備えるにはiDeco(イデコ)を利用しましょう。

▼かつて福利厚生の筆頭であった財形貯蓄は、非常に低金利なので利用するメリットはほぼありません。しかし、求人票の見た目が非常に良くなるので記載しましょう。導入も金融機関の協力があり、比較的簡単です。

▼団体扱いの生命保険はそれほど安くもなりませんが、保険会社から営業を掛けられたら取り扱いたい所です。会社経由で保険に入ると少し辞めにくくなります。

▼上場していれば持ち株会があります。株主配当ばかり多くすると「その前に給料上げろ」となるので、奨励金を出して積極的な加入を促したいところです。

賛否がでそうな福利厚生

会社としても、働いている人にとっても、転職者が求人票を目にした際にも、いずれにしても良いとも悪いとも受け取られかねない福利厚生です。

良かれと思っても、少し古い感覚の残る福利厚生で、敬遠する人がいる事にも留意が必要なので注意が必要ですね。

・社員旅行

・新年会、ボーリング大会などの親睦会

・労働組合

・自社保養所

▼社員旅行は最も敬遠される恐れのある福利厚生で、あまり求人票に記載しない方が良いでしょう。記載するなら(希望者のみ)などと明記しておきたいところ。

▼親睦会は強制参加に近いものか分からず、「そんなの面倒」と考える人が結構多い事に注意が必要です。ただ、新入社員の多い会社であれば話は別ですね。

▼労働組合は福利厚生とは言えませんが、ユニオンショップ制度(全員加入)ならば、組合費を徴収する都合上、求人票のどこかに記載は必要となります。

▼保養所は利用者が限られている場合が殆どで、経費が気になるレベルなら取りやめる事も検討が必要です。良い地域の保養所であれば、対外的なアピール力があります。

それ書くの?という福利厚生

私が多くの求人を確認して割と多くみられたのが、「白衣貸与」です。

まさか自腹で白衣を買わせて自宅で洗ってもらっている会社があるのなら申し訳ありませんが、「白衣貸与」は当たり前過ぎます。

しかし、これを書く会社が相当数ある事で、書いていない会社は「自分で用意しなくちゃいけないの?」と思われる可能性が否定できませんよね。

それは避けたいので、馬鹿馬鹿しくとも記載した方が良いかもしれませんね。100人に1人でも誤解する人がいるのは避けたいところ。

余談ですが、かつて「もやし」の包装に【無漂白】と記載した方が良く売れた事例があります。そもそも漂白してるもやしはないのに、あえて無漂白と記載し安全性をアピールするセコイ方法です。

何も制度が無いけど充実した福利厚生を転職者にアピールするために

これまで見てきたように、様々な福利厚生が存在しています。記載していないものも、もちろんまだ多くあります。

大きな会社がより充実した福利厚生を提供できるのは当然の事。

しかし、求人票の福利厚生欄に「有給休暇、社会保険」のように僅かしか記載してない薬局も多かったのが私の印象です。書ける事は書く方がベターです。一瞥して求人票の時点で除外されてしまいます。

もし何も提供できる福利厚生が無いとしても、最低限これぐらいは記載しておきたい所です。むしろこれだけで「充実してる感」を出す事ができます。

【福利厚生】夏季休暇、年末年始休暇、有給休暇、慶弔休暇、お祝い金・お見舞い金制度、各種社会保険、健康診断・予防接種(補助金あり)、産前産後休暇、育児休業制度、育児短時間勤務制度、介護休業、子の看護休暇、社内研修、親睦会(希望者のみ)、白衣貸与

健康診断・予防接種は金銭補助していない会社もあると思いますが、お祝い金やお見舞い金などは多くの会社が行っている筈です。

【補足】絶対に書いてはダメな福利厚生

見かけた時にちょっと目を疑った福利厚生としては、「同居一親等処方箋代無料」というものです。何を意味するか分かると思いますが、求人票に書いてしまう(≒ネットに残る)リスク管理には気を付けましょう。

【最後に】福利厚生よりも大事な事

福利厚生について採用目線で書いてきましたが、何より大切なのは休みがしっかりとれる事ですよね。そして直接お給料に還元される事です。

大手企業ほど優れた福利厚生がありますが、福利厚生を充実するためにお金を掛けています。年収も含めてトータルで考える事が大切です。

そして何より、転職活動しようとする際には、職場見学をしてよい雰囲気を感じる、感じさせる事がとても大切ですね。

とは言えまず目に通すのが求人票。

少しでも薬剤師採用率を上げるために、少しのコツとして参考になればと思います。