チェーン薬局で仕事を頑張っていればいずれ訪れるこの時。そう、エリアマネージャーへの昇進の打診です。
仕事の能力を認めてもらったという嬉しい半面、様々な事情からそれを受諾するか悩む薬剤師が多いのも事実。
この記事では「エリアマネージャーへの昇格打診を受けた時、受けるべきか辞退すべきか」そんな悩みについて少し記事にしてみます。
ちなみに私はチェーン薬局のエリアマネージャーです。
※エリアマネージャー、あるいはブロック長なんて呼ばれる事もあるかもしれないけど、ひとまずこの記事では「エリアマネージャー」と統一して呼びます。
昇進打診を受ける事は誇りに思った方がいい
当たり前ですが、エリアマネージャーへの打診を受ける。そうした薬剤師は仕事ができるんだと、それは誇りに思ってください。
実際、やりたいと思ってる人がいても、そういう人ほどお声が掛からないもの。
あなたは間違いなく、「選ばれた人」である事は間違いないですよね。
たぶん辞退する人が結構多い事も耳に入ってるはず
エリアマネージャーへの声が掛かる時点では、まだあなたは薬局の店長だったりするわけですが、すでにそこそこ、その会社に勤めてる期間が長いはず。
そうであれば聞いてると思うんです。
「○○さんはエリアマネージャー断ったらしいってよ」と。
私自身、採用したりする人事権は持ってても、エリアマネージャーを打診したりするような権限はもってませんが、当事者。
実際どれくらいの割合の人が辞退するのかなんて私だって分からないけど、まぁ感じとしては5割、6割以上は断ります!
これがね、みんなよろこんで100%快諾するような状況だったら違うと思うんですよ。ただそうじゃなく、断る人が多いという現実。
それだからこそ、エリアマネージャー受けようか、断ろうか、すごく悩んでしまうんです・・・。
エリアマネージャー大変そう
なんで断ってしまう人が多いのか、それは結構明らかだったりします。
まず、激務。のんびりやってる人なんているわけないですよね。マネージャーなんて肩書がついてながら、時には調剤にも手伝いに入る。
いや時々だったらいいかもしれないけど、ほとんど調剤しつつ、エリアマネージャーをやってる人なんてザラですよね。
それに加えて「マネージャーの仕事」なんて、激務になる事が目に見えてますし、きっとあなた自身、そうした薬剤師をたくさん見てきたからこそ、悩むんです。
エリアマネージャーは年収上がらない
加えてこれも悲しいところ。激務になるうえに、まぁ大抵はたいして給料が上がらない事がほとんど。なんなら下がりませんか?
あなたがいま薬局店長だったとして、残業手当がそこそこついていれば、管理職であるエリアマネージャで残業代が無くなる。
よっぽどエリアマネージャー手当が手厚ければそんな事はないかもしれませんが、まぁ殆どのケースで年収はかなりさがります。
※そもそも店長で残業代がでてない、そんな危ない橋を渡ってる会社は、そんな打診は蹴って再就職も視野に入れていいです。
つまり、仕事は激務になり、年収が下がるというバカらしい状況が発生してしまう。それでせっかくの昇進の打診を受けるか悩む、きっとそれがほとんどじゃないでしょうか。
どうしてエリアマネージャーを受けるか悩んでしまうか?
激務、年収下がる、さらに加えて、薬局のエリアマネージャーの仕事なんて、大抵仕事内容も面白いとは言い難いというところ。
まぁ・・・わがままな薬剤師の苦情がばんばんきます。
- 薬剤師足りない補充して
- 事務足りない補充して
- スタッフが辞めそうどうにかして
- 機器の買い替えお願いします
- 仕事辞めたいです
そんな事を言われるばかり・・。
そして、「患者さんからクレームが。対応お願いします」とクレーム処理まで行わなくちゃならなくなりますよね。
まぁなんというか、エリアマネージャーを受けるメリット的なものがほとんどないんです。消耗してしまう。
蛇足ですが、たまに薬剤師求人で「エリアマネージャー募集」なんてしてる会社ありますけど、誰があんなのやるんでしょうか??慣れた環境ですら躊躇するのに、謎です。
なぜスパッと断れないか
そんな悲しき中間管理職。薬局のエリアマネージャ。打診がきたら「嫌です」って断ればいいんじゃないか、そう思いますよね。特にそういうものに縁が無い人にとっては。
・・ただまぁそうもいかない訳で、人間ですから。
「信頼できる上司から打診があったから断りづらい」それもあるでしょう。
女性管理職も増えてるものの、「男で昇進の打診を蹴るのは小物っぽくて情けない」気持ち、良く分かります。
家族を養ってれば、これからお金が掛かる時期なのに「年収下がる」なんてバカらしい状況。エリアマネージャーよりさらに昇進したって大して年収なんて上がりません。
この記事を読んで下さってる方が、どういった経緯で読んでくれてるのか、それはちょっと分かりません。何かのキーワードで検索したんか、他の記事から来たのか。
ただ、何かしら悩んではいるはず。それも結構大きな悩みとして。
時期的にはね、年末くらいから年明け2月くらいにあたると思うんです、こういうの。薬局も忙しい時期。それに加えてわりと人生の重大な悩みを抱える。
あなたへの昇進依頼=会社編成なわけで、ある程度すぐ結論もださないといけない。
なんなら「この会社辞めようかな」なんて少し思ってた時にそんな打診が舞い込んだ日には、なんとも言えない気分でしょう。
なんとなく将来を考えると断りづらい
今はまだ薬剤師不足が続いているとはいえ、5年後、10年後、どんな環境になるか想像つきません。けど今より明るいか・・というとかなり厳しめ。
そんな状況だからこそ40代、50代を「生き残る薬剤師」として過ごすためには、そうした管理職になっておくべきじゃないか!そう、頭をよぎるんです。だから悩む。
- 激務になる
- 仕事面白くない
- 給料下がる
この3要素で十分、受ける理由がないんですけどね。ふつうは断るんじゃないか、断った方がいいんじゃないか。そう思います。
まぁ、色々考えたものの、最終的に私は受けてしまいました。なんか「昇進断るのって小さい人間そう」ただそれだけの理由で。
その決断がいいか、悪いか、それは自分自身、分からないです。
ただ薬剤師という資格を持っているのであれば、「エリアマネージャー降りさせてください」って言えば、店長に戻ること、できますよね。だから受けました。ちょっと後悔してますけどね。
ただちょっと思ってる事はあって、「将来生き残る薬剤師」ってのは昇進してる薬剤師じゃぁ無いって事。つまり生き残る術として、エリアマネージャーになっとく、これは大きな間違いです。
だって、あなたのまわりの年上の上司、みてみてください。肩書あっても使えない人、結構多くないですか?なんなら仕事出来ない。
今はまだ、、!!そいう人は「生き残る術」として昇進を利用できたかもしれませんが、これからの時代はそんなんじゃ絶対に無理です。リストラ候補。
生き残る薬剤師とは
これから薬剤師も淘汰される時代が、かならずやってきます!薬剤師として生き残る必要があるのです。どう備えればいいか。
ただ、これも結構変わるんですよ、「生き残る薬剤師像」。2年に1回くらいで微妙に変わってきてる感じです。
そもそもこの「生き残る薬剤師」って、基本的には「会社に必要とされる」ってケースが多いですよね。そうであれば、調剤報酬改定ごとに変わるわけです、生き残る薬剤師像。
生き残る薬剤師=国の方針で変わる
在宅にしっかり取り組む、かかりつけ薬剤師として職能を発揮する、薬剤師会など地域の活動に貢献する。
そういった事は基本かもしれませんし、それがまずは第一歩なはず。
場合によっては、エリアマネージャーになると、そういった事から少し離れます!そこそこ疎くなります。
まずは薬剤師としてしっかり勉強を続ける事ができる、そういった環境を大事にして欲しなと感じますし、それ抜きに、昇進なんか引き受けるもんじゃない、そう思います。
まとめ
チェーン薬局でエリアマネージャーの打診があって、悩んでいる、なりたくない、よくあるケースです。かなりの薬剤師は断ります。
既にあなたの中で「やりたくない!」っていう気持ちが強いなら、受諾する必要は無しです。生き残る薬剤師とも関係ないんです。
ただ、これまで経験してこなかった新たな仕事に取り組む価値。そういった経験は何事にも変えられないもの。やりたいからやらせて!っていう立場じゃ無いんです。
「かなり悩んでいる」のであれば、エリアマネージャーとして一歩踏み出す、それはアリだと思います。やっぱきつければ、おりればいいんですよ。
だってあなたの仕事の能力、それはすでに認められてるわけですから、心配は無用です。
2024年現在、「将来を考えると不安・環境を変えたい」そう感じていても、実際どうすればいいか分からない薬剤師は意外と多いもの。
◎今の職場はつらく逃げたい
◎年収など条件面を重視したい
◎成長できる環境に身を置きたい
◎つらい人間関係を早く解消したい
◎ワークライフバランスを重視したい
そんな状況から抜け出すには、相談して客観的なアドバイスをもらう事。そうすれば、また新たな一歩を踏み出すことが出来ます。
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