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薬剤師と就職・転職活動

薬剤師がうつ病で転職を考える時の判断は?休職・復職と合わせて考えよう

今回の記事は、少し考え方が難しい「薬剤師とうつ病、そして転職」というテーマに沿って解説をしていきます。

一般的に「うつ病(うつ状態)などの状況では、人生に関わる重大な決断をしない方がいい」と言われています。なぜなら、普段であれば冷静に考えられることも、そのような状況下では客観視して考えるのが難しいから、というのが理由です。

転職がその「重大な判断」かどうか、それは転職する人がそもそも多い薬剤師に関しては、意見が分かれる部分かもしれません。

転職して解決する悩みが原因なら、転職する方がいいとも思えます。しかし、そう簡単に転職に踏み切れない薬剤師が多いのも事実です。

私が薬剤師の採用を行っていると「前の職場でメンタル面の不調を理由に退職した薬剤師」が、面接にくるケースは、相当多いです。

「転職」という比較的人生にとって大きな問題を、うつ病などの際にはしない方がいい、確かに私自身そう思うことは多いです。それだけに「こう対処した方がいい」というアドバイスは、難しい側面があります。

しかし本当に仕事が出来ないほどまでうつ状態となり「今の職場に無理して留まる事」がいいのか……、この判断は最後は自分で決めなくてはなりません。

またうつ病となる原因によっても対処が異なります。簡単に言うと、

  • 薬剤師としての仕事が原因か
  • 仕事以外に起因するものか

この記事では、うつ病など精神的につらい状況で働いている薬剤師が、転職を考えた方がいいのかどうかについて、客観的、かつ個人的な視点・経験を交えてお伝えします。

すでに休職中で復職を考えている薬剤師は以下を参考にしてください

心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き(pdf.ファイル)

なお、「うつ病」については原因を含め症状に個人差が大きい事ですし、既に通院しているかどうかかでも対処が変わってくる部分です。

受診すれば医師によって判断やアドバイスが個別に変わってきます。この記事では「薬剤師の働き方」として、一つの参考としてお読みください。

うつ状態なら薬剤師の仕事や転職よりまず休む事が大切

うつ病と一口にいっても、程度には差があります。これは薬剤師という健康に関わる仕事をしているなら、あえて伝える必要が無い部分かもしれません。

毎日仕事が行くのが嫌で憂鬱で転職したいなという人もいれば、休職が必要ですぐに仕事はストップするべきである状態と様々です。

また仕事ではなくプライベートが原因であれば、転職という選択肢をとる必要性は低いと言えますが、仕事の負荷は減らしたいと思う薬剤師もいるはずです。

うつ状態がつらいなら受診が大切

あなた自身にとって「本当につらくて、もう現実から逃げたい」のなら、まずしっかり受診をすること。必要に応じて休職、つまり仕事を休むという選択をしっかりとる事が大切です。

薬剤師という薬物療法に詳しいからこそ「受診して薬か……」と言うのは良く分かるのですが、まず医師に客観的に悩みを聞いてもらう事こそが大切です。

薬局にせよ病院にせよ、過重労働や人間関係などのストレス、責任の重い仕事やクレーム対応など、薬剤師は想像以上に精神的に負荷が掛かる仕事です。

しかし、そうは言うものの、精神科やメンタルクリニックへの受診はついためらってしまう人が多いのが現実です。ためらわない人の方が少ないくらいかもしれません。

家庭を持っているならば収入が一時的に減少してしまう事もありますし、それ以上に弱い自分を見せたくないと皆思ってしまうものです。でもそんな事は小さな事なのです。

仕事の事は忘れて休むこと

これはあなた自身の感覚でですが、このまま仕事を続けていたら最悪の自体も…という感覚で働いているのなら、必ず受診をしてください。それだけで案外ホッと出来るものです。

薬より何より、まずは仕事をセーブする事がうつ病から回復する一番の手段です。薬剤師なら頭で理解はしていても、案外実行にはうつせないからこそ注意が必要なのです。

「受診したところで意味が無いのでは」と思う薬剤師もいるかもしれません。医師から仕事は当面休むべき(休職)であるとの判断されれば、その診断書をもち、会社は休職命令をします。

客観的なアドバイスをもらう事が大切

「薬剤師としての仕事が原因ではない」場合であっても、ゆっくり休むことは大切です。薬だけ服用していても、無理をしないでいい状況を作れなければ、うつ状態から回復するのは遅くなってしまうのです。

もちろん例えば家庭内の事情によりうつ病に罹る人もいますし、その場合は「家でゆっくりする」事はむしろストレスが増大する事になるかもしれません。

精神科やメンタルクリニックでは精神保健福祉士(相談員)がいるので、単に仕事を休めばいいという物ではなく、しっかり状況に応じた対応を取ることのアドバイスをもらいましょう。客観的に見てもらう事が、何より大切になってくるでしょう。

医師からは「仕事を休んだ方がいい」「セーブした方がいいい」「配置転換が必要である」など、具体的なアドバイスを貰えます。

薬局や病院勤務だと「配置転換」は難しい対応策ですが、まずはあなた自身の状況を伝えるだけでも意外と心持ちが楽になるものです。

薬剤師がうつ病や鬱っぽい場合に転職を考える時

うつ病、あるいは鬱っぽい。本記事の冒頭でも伝えましたが、それをきっかけに転職する薬剤師はかなり多いのが現実です。

あえて話す人は少ないだろう中、私が面接でそういった話を、転職活動中の薬剤師から話してくれるだけでも「多いな」と思うのです。

それゆえ「実際に面接の場では話さないケース」ーこれがほとんどだと思いますがー、を含めると、今の仕事がつらくて転職するという薬剤師は想像以上に多いのではと感じています。

転職という環境変化が必要というケースは多い

やはり環境を変えないとダメなパターンは確実に存在します。これは薬剤師に限ったことじゃなく、社会人として働くひと皆です。

うつ病で受診しつつ転職活動している薬剤師も多いのですが、その一歩手前、限界になる前に転職活動をしているケースもとても多いのが現実です。

元の職場に戻りたいと思えるなら復職を

転職をせずにうつ病などメンタルの不調で休職し復職する、そうした薬剤師は、もともとの仕事にはさして問題が無いケースがほとんどです。

つまり「元の職場」に戻ることには抵抗が無いという事になります。

やはり人間だれしも長い人生の中で精神的に不調になってしまう事は多い世の中ですし、うつ病という状況下で転職という大きな決断はしない方がいいのは事実です。

「元の職場に戻りたい」そう思えるなら、出来ればそうした選択をした方がいいのは言うまでもありません。

職場が原因なら転職を考える事

ただそもそも働いている環境、特に人間関係等の職場環境が原因でうつ状態に陥ってしまったのでは、「休んで復帰」したところで、あまり意味がありません。

復帰後に「仕事の負担を軽くする配慮」といった事があまり意味をなさないのです。

もちろん薬局で働いているのであれば、休職から復職後に本社勤務といった選択をとる事が可能ならば良いのですが、現実的には「それなりのスキル」が無いと難しいケースが多いですし、病院や中小規模薬局の場合であれば、「本社」で働いている人数自体基本的にはあまりいないでしょう。

本当につらい精神状態ならば「休む」事が一番ですが、休んで「元の職場に戻る」事はどうしても避けたい場合、転職という選択肢は「環境を変える」という意味として、大切な選択肢の一つになってきます。

実際、限界になる前に転職する薬剤師は多いですし、むしろ今うつ病でつらいのならば、限界になる前に仕事の負荷を減らす方向へと、前向きな形で転職する事は大切です。

そもそも年収の不満や人間関係が原因で転職する薬剤師は非常に多いものです。選択肢として決して難しいものではありません。

ストレス軽減のためどういった職場を選択すべきか?

精神的にきつい、鬱っぽくてつらいから転職という選択をとる。それ自体は自己防衛のための「早めの対策」の一つとして考えておきたいところ。

また、すでにうつ病で治療をしつつ働いているものの「やはり今の職場はつらい」という事もきっと多いはずです。薬局など、配慮してもらっても薬剤師の職場は狭いですし、少し店舗の異動をしてもあまり変わりが無いケースも多いものです。

しかし、「環境を変える」といっても、どんなに良い環境の職場に転職しても、「新たな環境そのもの」がストレスになるという事もしっかり理解しておくべきで、その点は注意が必要です。

※「引っ越し」など日常の変化でも人間にはストレスが掛かります

ただ間違いない事として、うつ病を引き起こすような職場で働き続けるよりは、「転職する」というストレスの方が比較するまでもなく低いです。

参考:ライフイベント法とストレス度測定(pdf.ファイル)

パート薬剤師として働く選択

薬剤師資格の強みとして、様々な働き方、職場を選択する事が可能です。もちろん人それぞれ考え方があるので、どういった職場がおすすめかという事はありません。人間関係が良い職場に転職するだけでストレスが大きく軽減するケースも多いからです。

私が面してきたケースであると、以前働いていた薬局でうつ病になり退職し、パート薬剤師で働くという労働時間的にも負荷の少ない働き方を選択する人もいます。

特に、働く事に不安を感じる薬剤師にはパートは良い働き方といえますし、慣れてきたら正社員になるという形でも問題ないでしょう。

デメリットとしては、パートで採用されている分、正社員になるという形が難しい(薬剤師の人員的に余剰になってしまう可能性がある)薬局もあるという事です。

企業系の薬剤師求人を探す

薬剤師の企業求人というと「人気」なイメージがありますが、職種によります。例えば製薬企業や医薬品卸と一口に言っても、医薬品倉庫の管理薬剤師などは年収が低いため、比較的求人が出ています。同様に、化粧品会社でも薬剤師の募集をしています。

比較的業務上の負荷は小さい仕事なので、年収でいうと400万円程度にはなってしまいますが、そういった求人を選択するのもよい選択かもしれません。

ただし、契約社員の求人も多いので注意が必要です。なお、そういった求人は地方の医薬品工場に多そうなイメージですが、「倉庫など」がどこにあるか次第なので比較的都心部でも募集しています。

年収が低いためあまり人気がある求人とは言えませんが、残業もほぼ無いので、働きやすい職場の一つです。ただし接客業務が無いので、「患者さんと話すのが楽しい薬剤師」だと、つまらない仕事と思ってしまうかもしれません。

薬局の規模を選択して働く

私が採用をしていると「元大手チェーン薬局勤務」の薬剤師を面接する事が多いのですが、それは新卒で入社する薬剤師が多いのが理由で、転職先を選ぶのに大手チェーンがいいか、あるいは中小規模の薬局がいのかは断言出来ません。

ただ薬局の規模に関わらず、転職する場合の一番のメリットは「働く薬局を選ぶ事が出来る」点にあります。

特にうつ病の原因が薬局や病院の人間関係であったりすると、次に働く職場もどんな人が働いているのか、それはとても大切にしたいポイントです。

大手チェーン薬局であれ、中小規模の薬局であれ、基本的に求人は「薬局単位」で求人を出しています。つまり働く薬局に面接にいく事が可能です。

どんな人(薬剤師や事務)が働いていて、どういった診療科目で、忙しさがどれくらいで、そういった事を把握した上で働く事が出来ます。

特にうつ病から転職を考えている薬剤師の場合、いきなり常に大混雑の薬局や、在宅で大変といった薬局は選択肢からは避ける方がいいかもしれません。残業が多い職場は避けるべきである事は言うまでもありませんね。そのためやはり、職場をしっかり見学するという事が大切なポイントになってくるはずです。

薬剤師がうつ病と付き合い働くために

この記事では私が薬剤師である事、薬剤師向けに書いた事もあり、「こんな症状があったらうつ病を疑いましょう」「こういった点に注意してうつ病と付き合っていきましょう」と言った話題には触れませんでした。

なぜなら薬剤師であれば、おそらくそういった知識は十分に理解しているはずですし、ましてや薬については言うまでもありません。

しかし、うつ病というのはあなた自身が考えている以上に「自分を客観視出来ない」状況です。「自分はまだ大丈夫」そう思ってしまうものですし、そう自分に言い聞かせて働いていても、ある時限界が来てしまいます。

服薬指導では「ゆっくり休んでくださいね」「睡眠をしっかりとりましょうね」と言えても、自分で実践出来るかは別問題なのです。「休む事」は案外難しいものなのです。

この記事は薬剤師の働き方とうつ病というテーマで記載してきましたが、決して薬剤師だけにあてはまるものではありません。

一生懸命頑張って働くことも時には大切ですが、疲れたらゆっくり休む、働き方を見直す。そうした事が長い人生にはとても大切なのです。

うつ病と付き合いつつの転職活動方法

この記事、最後のまとめに入るんですが、「うつ病、うつ状態と付き合いつつ上手に転職活動をするには?」という解説です。

薬剤師であれば資格を生かし、うつと付き合いつつ、長く落ち着いて働ける仕事は必ず見つかります。良い職場は、必ず心身ともに健康にしてくれます。

今の体調の悪さの原因が「働く環境」にあると思えるのなら、転職を検討した方がよいです。それは逃げではなく、前向きな選択です。

適度なストレスは生活に良いものですが、過度な仕事のストレスは禁物ですね。

転職活動がストレスにならないために

とは言え「うつ」状態だと、しっかりとした判断が出来なくなるのは事実です。もしあなたが「判断が出来なくなる事はない」と思っていても、少なからずそういった要素があると考えておいた方がよいでしょう。

また、転職活動自体がストレスになる可能性に注意が必要です。

大きなポイントですが、薬剤師の求人は多く、自分で選びきれません。これはうつ病など関係なく、薬剤師が不足している現状のため。

そのため自分で薬剤師求人を探すよりは、あなたが薬剤師として「こう働きたい」と思える求人を探してもらう事が「安心」でなおかつ「楽」でもあるのです。

ネットで求人を探して申し込んでも「その薬剤師求人は募集が終わっていた」なんていう事はよくありますし、電話だけで「この薬局どうですか」と面接に促されるケースもしばしば。

体調に不安を抱えるからこそ、あなた自身の話を聞いてくれるキャリアアドバイザーにしっかり頼り、自分に合った求人を探してもらう事を大切にしておきたいものです。

しっかりとしたアドバイザーのいる薬剤師求人サイトは?

うつ病に関わらず、薬剤師は転職する人が多く、そのため「大手の求人サイト」に薬剤師が集まります。そうした求人サイトでは多くの薬剤師に求人を紹介するため、電話だけで求人紹介し、見学まで付き添ってくれる事はありません。

  • 拠点数が多い(対応が手厚い)
  • 話を聞いてくれる
  • 職場見学に同行してくれる

そうした求人サイトである、ファルマスタッフ(薬局求人に強い)や、薬キャリエージェント(企業や薬局求人に強い)などを利用したいところ。

なお、「特別に配慮して欲しい」ならばうつ病であることは伝えたほうが良いですが、言わなくても全く問題はありません。大多数の人は、言わずに転職活動しています。

まずは電話で「どんなところで働きたいか」をしっかり伝え、自分に合った求人があるか紹介してもらう所からスタートです。

働きづらい環境で耐え続ける必要など、長い人生を考えたら全くないのです。