病院で働きたい!という薬剤師は、昔も今も、一定数います。
求人数は多くないものの、私が大学を卒業した20年ほど前などは、新卒求人などはほとんど見当たらない状況でした。
そういう意味では病院で働きたいと思う方にはいい環境になっているのかもしれません。
ただやはり気になるのは年収。「低い」というイメージが強くありますよね。
地方であればかなりの厚待遇(経験者なら年収600~900万)もありますが、それはかなりまれです。
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病院薬剤師は医療業界のヒエラルキーの中に身を置く仕事
病院で働くという事は、新卒で社会の事の右左も分からない方にこそ、向いているかもしれません。
そもそも中途採用あまり無いか、急募といった形が多い。何が言いたいかというと、まぁ、結構ブラック要素が強い職場が多いのです。
病院やめちゃうの何で?
良い職場で、長く勤める方が多い病院もあります。どの職場にあたるか、これはもう、運です。もちろん病院に限らずです。
- 病院から薬局に転職する人は多い
- 薬局から病院に転職する人はまれ
- 病院から薬局へ転職したあと「やっぱ違う」と病院に戻る人はほぼいない
薬局で働いていると病院からの転職者が案外多いのですが、あの頃はよかった的な、そういう話が出てくることはほとんどありません。
あの頃はひどかった、っていう愚痴をこぼす方は多くいます。人間関係、給与が低い、休みが少ない、雑用が多い。いろいろときつかったな、と。
私の薬局に転職した女性は言ってました。休みが週1日(日曜)のみなのに、手取りは16万少し(新卒なので住民税の控除なしでです)生活の不安が先に立って続けるのが難しかったと。
まぁ少し辞めるの早過ぎじゃ?とは思いましたが、理想と現実のギャップがあまりに大きいと、早かれ遅かれこういう結末になります。
人間関係と、病院薬剤師の理想と現実
人間関係の問題が一番発生しやすいのが、この病院という職場です。
医師と対峙、看護師と対峙(もう胃が痛くなってきました)、その他職種とも対峙、そしてそして患者さんへの対峙。ただこれこそ醍醐味であり、もうここらはやりがいを持って働く事で、乗り越えていくしかないのです。
「つらくなったら薬局に転職しようかな」くらいの気持ちで働くといいかもしれません。
病院臨床の現場で
一方でかなり注意してほしいなと個人的に思う事があります。
「病院で働くという事は臨床の場で患者さんの一番近い場所で寄り添い、薬剤師として献身的に働く」というイメージを持たれている方が多いと思いますし、就職の動機としてもそれが一番だと思います。
しかし普段ならば容易に想像がつく事が抜け落ちています。
今は入院期間がどんどん短くなっていますから、深く献身的になる前に退院してしまうのです。今は在宅になっていきます。
病院にもよるでしょうが、薬学部から就活となると、なぜかそのイメージが出来ない学生さんが多いので、病院に就職検討されているかたは、注意してください。
病院でしか身につけられない事はたくさんある
それにしても薬局から、病院の薬剤部に電話する時、多くの病院薬剤師のイライラ感は何なんでしょう。どんな環境で働いているのか想像ができません。
電話で問い合わせたり、逆に問い合わせを受けているだけなのに、なぜか上から目線。仕舞いには「それはFAXでお願いします」って、もう頭が下がります。患者さん第一ですが、お互い思いやりをもって働きたいものです。
でもでも、ちょっと悪口書いちゃいましたが、治療の最前線にいる訳ですから、薬局や、ましてやドラッグストア、製薬企業で働く方よりも、医療に携わる人間としてずっと貴重な経験ができます。
その知識はたとえ薬局に転職しても生かす事ができますし、何より病院の前で口をあけて待っている薬局を見ていれば、自然と病院で働く事の誇りも生まれるのが自然です。
そんな高等なスキルを身につけた病院薬剤師、私は尊敬しています。やっぱり薬局薬剤師は、病院薬剤師に対して、ある種の羨望と嫉妬みたいなものを持っているのは、隠し切れない事実だと思っています。
しかしだったらなんで病院薬剤師の年収は低いのか。行き着く先は、これはいま流行りのやりがい搾取なのではないか、とすら思えてしまうわけです。
そもそもお金に困るような人が働いていないかもしれない問題
私が大学生の時、まぁ、女子はお金持ちが多かったです。(男は貧乏が多かった)これはその子がお金持ちというのではなくて、親が、という意味です。
人づてに聞くわけですが、「〇〇さんのお父さんは医者」みたいなのはザラでした。
私は都内の大学でしたが、家賃相場の高い大学近辺で一人暮らしをしている子が多く、一方で男子連中は学校帰りに遊びにいけるようなお店が近くに全くなく、他の駅まで繰り出さざるを得ない状況でした。
この男女格差たるや。
あくまで私の同級生での話にはなってしまいますが、卒業後20年、病院勤務継続できているのは、あまりお金に困る状況にない人、つまりある程度裕福な人です。
薬剤師は結構な割合で、実家が資産家だというのも体感的に事実であって、もちろんこんな事はデータがどこにもないので、根拠を示せと言われても無いでし、本人に聞くしかないものの、教えてくれないでしょうけどね。
病院薬剤師の年収
まず前提として、中途採用は基本的にレアなケースですので、新卒で考えると、病院薬剤師は年収350万というところが平均的な金額と考えてください。
一時薬剤師不足が今よりも深刻だったときは、年収400万というところも少なくありませんでしたが、また元に戻ってしまいました。
年収は看護師よりも低く、大学6年間と考えると少々厳しいところです。
もちろん看護師という職業は大変過酷な職業だという事は分かっていますが、それを抜きにしても、まず調剤薬局との差は大きい事となります。
病院薬剤師の昇給について
初任給が低いとはいえ昇給していくわけですが、定期昇給で昇給していくというよりは、ポストに就く事により大きく昇給していきます。
それゆえ、「上」がつかえていたら、30代はずっと低空飛行(年収400万円台)となります。ただ、その病院の規模というところは非常に大きな関係性があります。
年収を増やすにあたり最終的なポストで行き着く先、目指すべきところは、その病院の「薬剤部長」(名称は病院で異なる)です。
- 400床以上の病院で年収850~950万
- 100床未満の病院で年収650万程度
というところが年収の目安となります。まぁそれぞれ、そこそこ大企業の部長、中小企業の部長の給料と同じくらいかもしれませんね。
ただ、そこにたどり着くまでが、大変なわけです。薬剤部長以下は推して測るべしという事です。
※ただし繰り返しですが、あくまで平均は上記のように低いだけで、調剤薬局・ドラッグストアよりも厚待遇の求人もたまに出ます。
病院に長く勤めたいなら大病院か国家公務員待遇を目指すべし
お金に窮していない資産家の方を除き、しっかり稼ぎたいと思うのであれば、非常に狭き門ですが、大病院か、国家公務員に準ずる給与を支払う病院(国立病院機構)に就職すべきです。
年収ももちろんですが、福利厚生も圧倒的に違います。ただし、国立病院機構は公務員ですから、転勤があります。せっかく年収がよくても持ち家が買えないかもしれないので注意が必要です。
病院薬剤師は憧れだ
私の病院薬剤師への妬みがつまった記事となりましたが、新卒で就活する方向けの記事だったので、もう少し理想を掲げた方がよかったかもしれません。
ただ、病院で働くなら、お金は抜きにした方がよいですね。でも「病院で働いています」っていうね、なんか、そういうの憧れますよ。
私も初めに病院勤めればよかったです。「元病院勤務」でも十分、かっこいいじゃん!と思うのです。
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