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仕事(diary)

医薬品の温度管理と製薬企業の1つの闇

今日記事にする事は、ややナイーブな問題かもしれません。

あらためまして、こんにちは!暑いですねぇ。(注:夏に書いた記事です)

社会人にも1か月の夏休みが欲しいですよ、ほんとに。ここまでの酷暑ではなくても、夏場は冷房を掛けずに休みの日をまたぐと薬局の室温は30℃軽く超えちゃいます。

病院はあまり心配ないかもしれませんが、薬局で働く薬剤師、医薬品の温度管理はしっかり出来てますでしょうか。

経費削減、節電で冷房切れと言うような、そういう経営指示があったら管理薬剤師として責務を果たしていない状況となります。要注意会社ですから転職をおススメします。

冷所保存ではない医薬品であれば室温、つまり日本薬局方では1~30℃と規定されていますから、休日夜間でもエアコンを使用し、調剤室を27~28℃くらいには保っておきたいところです。

薬剤師の常識は常識ではない

薬局で働く薬剤師の方には「医薬品の室温保存、そんなこたぁ、分かっているよ。そんな常識的な事をわざわざ言うんじゃないよ。うちはチェーン薬局だけど、薬局間での薬の移動もちゃんとクール便だよ。」と言われてしまいそうです。

でも、この医薬品温度管理の問題は、なかなか語られる事も無い、不文律とも言えないような、大きな事実を抱えているのです。つまり、薬局での常識が常識とも限らないのです。

医療機関への医薬品流通

今の若手の薬剤師には考えられないかもしれませんが、少し前まで、医薬品卸から薬局、病院へ配送される薬が喫煙によって臭うなどと言う事は結構あったものです。

まぁひどいものでした。

しかし今は医薬品卸での倉庫での品質管理をはじめとし、卸の倉庫から医療機関への配送の過程においてはおおむね問題は無くなっていると考えて良いでしょう。問題は卸に医薬品が運送されるまでの過程なのです。

医薬品の製造から流通

医薬品は多くの原料を調達して製造されていますから、例えば海外で製造された原薬の管理はちょっと考えたくもないレベルだと思っています。

今回私が触れる事は、日本で製造された医薬品の医薬品卸までの流通管理が、薬局で温度管理しているのが馬鹿らしいと言うほど、杜撰な側面があるという事です。

インスリンなどの冷所品について

薬局にインスリン(カート・キット製剤について)が納入されると、ある程度すぐ医薬品保冷庫へ保管するかと思います。薬局に届いてから3時間室温でほったらかしだったなんて事があれば、叱られる事もあるかもしれませんね。

まぁ温度管理というより、結露で箱がフニャフニャになる方が個人的には気になります。

ただ冷所品も品目によりますが、実は製造段階では、それほど厳密な管理はされていません。厳密どころか緩いです。もっとも、インスリンも開封後は室温保存でよいという事を考えれば、品質が担保されているのであればあまり大きな問題ではないとは思います。

インスリンは、製品製造後、抽出検査や目視の検品を経て調剤包装や元梱包装される訳ですが、この間の数日は標準温度(工場内ですからおおむね20℃以下、インスリンを扱う場であればそれなりに寒め)での保管です。

全ての製薬企業がそうではないかも知れませんし、私が実際見た一部を切り取って全体の話とする事は意図していないことはご理解頂きたいものの、大手製薬企業での話です。という事で、未開封であっても製造段階では厳密な冷所管理はなされていないという事になります。

まぁインスリンはタンパク質で出来ているという事を考えれれば、37℃を超えるような高次構造が崩れる環境でなければ品質上は問題ないと考えられます。

むしろ患者さんのご自宅での冷蔵庫保管の際における凍結リスクの方が高いかもしれません。

室温管理の医薬品全般について

冷所品を除き、医薬品は室温(1~30℃)保存が原則です。室内が氷点下になる事は稀かもしれませんが、夏場にエアコンを使用していなければ、30℃は超えてしまうので、まずそこは薬局で注意されている部分かなと思います。

しかしながら、薬局に届くまでの流通上、どうなっているのでしょうか。

大手医薬品卸であれば、倉庫内での保管から出荷・配送まで、基本的に今の時代であれば管理上の問題はあまりありません。駐停車した配送車内の温度が30℃を超える事もあるかもしれませんが、それは一時的なものです。

ドライバーだって、夏場は暑いですからエアコンはしっかり掛けるでしょうしね。問題は次からです。

ちょっとまずい製薬企業の対応

さて、製薬企業から、医薬品卸に届くまでの過程、ここについてはどうなっているのかさえ、一般的には分からない、いわゆるトレーサビリティーは存在しません。そもそも薬局で働く薬剤師がこの事を気にしているとも思えません。

製薬企業で製造された医薬品は、運送業者によって医薬品卸まで運送されます。ここに問題が2つ存在しています。

①製薬企業
製薬企業で製造された薬は、運送業者にゆだねられ医薬品卸まで運ばれますが、特定の1つの医薬品卸に運ばれる訳ではありません。当然複数の医薬品卸に配送されます。

その際、多くの製薬企業で季節に関わらず温度管理されていないのです。端的に言うと、35℃を超えるような暑さでさえ、半分屋外のような所に野ざらしに近い状態で出荷待ち、つまりトラックを待っている、という事も珍しくありません。

いや、珍しくないというよりは、多くの製薬企業でそのような状況なのです。これはなにも中小の製薬企業の話をしている訳ではありません。(しっかりと管理されている製薬企業もある事は、補足しておきます)

おおむね夏以外の季節であれば問題は生じにくいため、出荷待ち医薬品に対応する温度管理された設備を備えていないという事は、想像に難くありません。

ただ幾らなんでも、近年のこの夏の酷暑の中で医薬品をそのような管理下におく事は、もはや管理する製薬企業側の感覚も麻痺しているではないかとさえ思えます。

②運送業者
製薬企業から荷受けした医薬品はトラックで運送を行います。医薬品卸が薬局等へ配送する車両(バン)は運転席と医薬品は同じ空間です。

しかし、元梱の医薬品ですから大きな段ボールに入った医薬品を、運転席と荷台が分かれている状況で、常温医薬品であればいわゆる普通のトラックを用いて運送を行います。

もちろん冷所品は保冷車で運送していますし、運行管理の対応も整備が進みつつあるという事は事実です。ただ、夏場に普通のトラック輸送が行われているという事もまた事実なのです。30℃を超える温度というレベルではありません。

これについては、これ以上の説明は不要です。ただ、そもそもこれは運送業社の責任に帰結するものでは無く、委託する側の問題なのです。

これは問題か、問題では無いのか

医薬品の品質管理というものは、管理薬剤師に課せられた責務です。薬局、病院で働く薬剤師が神経を使って管理していたところで、上記のような事実があるのが実態です。

もちろん、別に私はルポライターでもなんでもありませんから、医薬品業界の闇(と言ったら大げさですが)を暴くような気持ちもありません。

ただやはり、製薬企業にも管理薬剤師がいるわけなのです。対応には多額の費用が掛かる事であり、製薬企業で働く一人の管理薬剤師が変えていける問題では無いのかもしれませんが、このことを見てみぬふりをしているという事も事実です。

たかが温度管理なのか、されど温度管理なのか。薬局や病院、そして製薬企業で働く薬剤師にも少しこの事を考えてもらえればと感じています。

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