薬剤師と就職・転職活動

薬局が吸収合併(M&A)されてしまう!どうすればいい?薬剤師・事務が理解したい事

「自分の働いている薬局が吸収合併(M&A)されてしまう!」そんな状況に追い込まれている薬剤師・事務向けの記事です。

ちょっとこんな記事、果たして読まれるか分からないんですが。

でも私自身、薬剤師として働いている薬局が合併されてしまう事も経験しましたし、合併する事も経験してきています。
(私は10年ほど前、吸収合併される時に勤めていた薬局を辞めました!)

どちらの立場もそれなりには分かるので、そういう状況に陥ってしまった際、少しでもこの記事が参考になればなと思います。

この記事を書き始めた時、ちょうど2020年調剤報酬改定前の時期でした。

初めは「今後厳しくなるから、絶対に転職しない方がいい」と思ったんですが、かなり甘い改定でしたよね。

ただ将来、つまり2022年の改定では非常に厳しいものになりそうです。

あなた自身の将来を考えて、転職するか、M&A先で働き続けるか柔軟に選択する必要がありますね。

薬局が吸収合併されてしまう話は突然に

あなたの働いている薬局が吸収合併(M&A)されてしまう!そういう場合、基本は大手チェーンに統合されてしまう事になるんじゃないかなと思います。

結構こういった話って、急に従業員(薬剤師・事務)に降りかかってきます。秋口くらいに話が来て、来年から合併するよと。

いきなり横道にそれますが、一番きついのは「本社勤務の人」です。本社の場所が変わるし、そんなに人員が要らないからです。

さて、たいていの場合、気になるのは給料。大手チェーンほど給料が安いし、どうなってしまうか不安ですよね。

基本的には薬剤師・事務とも大幅収入減になる

薬剤師であれば年収700万円あったとしたら、合併したら大きく下がります。事務だって年収400万円近かったけど、300万円以下程度になる可能性が高いです(何なら事務の場合正社員も怪しい)。

結論から言うと、まぁ当然の事です。会社が変われば給与規程が変わるんです。これは遅かれ早かれ、諦めるしかないこと。今の年収が維持されるのは、1年、2年がいい所です。

本来であれば「年収が下がる」というのは、よほど赤字経営でない限りあり得ない話ですよね。一方的に不利益な変更は許されません。

ただ理不尽と言えるけど、「同じ会社・同じ仕事」をするのに、あまり給与に差が出てしまうのは、M&A先の会社で働くスタッフに影響が出てしまいます。

本来、既得権益って労働者としては守られるべきもの。でも会社が変わればそうも行かない。そもそも、給料規定が変わってしまうんです。

私は聞いた事が無いんですが「吸収合併されて給料が上がった」っていうケースは無いです。もし収入が上がるという話が出ているのなら、言うまでもなくそのまま働き続けた方がいいです。

推測とは言え、給与が上がる事はあまり無いと思うんですが・・。大手チェーンの方が年収ベースは低いですからね。正社員であれば100万、200万円単位で年収が変わってきます。

逆の立場に立つと年収が高いのは納得出来ないかも

でも逆の立場になったら分かると思うんです。

例えばです。自分が大きなチェーン薬局で働いていた。そこに5店舗くらいの薬局を吸収合併する事になった。

自分の薬剤師年収は550万。でもその5店舗の会社の薬剤師は年収700万。大手チェーンで働いている側からすると納得できないですよね。「年収を下げるべきだ」とすら思うはず。

「大きな会社が小さな会社を吸収合併」したのに、小さな会社の従業員が相変わらず高年収で働いていたとしたら、相当不満が出てしまいます。

そうは言うものの、立場なんか関係なく、こいうのって「自分の問題」なんですよね。私自身、辞めた時は「そんなことは関係なく今の生活が大切」でした。だから転職しました。

極論で言えば、M&Aされても、大きな会社だろうが小さな会社なんか関係なく、年収・仕事内容が変わらなければ、あまり気になりませんよね。むしろ綺麗な設備投資がなされるのであれば、嬉しい事かもしれません。

でも年収はやっぱり激しく下がります。だからこそ、大きなチェーン薬局に今働いている薬局が吸収合併されてしまう・・・そういった状況になるのは、あまりいい状況だとは言えない部分があるんです。

お給料、まず下がります。やっぱりそれが、あなたにとって切実な問題なんです。全国に6万軒ほどある保険薬局のうち、大手チェーンって少数派ですからね(20%も無い)

薬局の吸収合併を機に転職する薬剤師が多いのは仕方ない事ですし、ある程度必然でもあるんです。

薬局吸収合併後しばらくして給料減に・・

私の経験上、そして聞いた話を含めると、薬局が合併したからって「初日から年収が下がる」ケースは割と低いです。半年後、1年後に下がるケースがほとんど。

なぜなら就業規則(給与規程)が変わって初めて、基本給・手当などが変動してしまうから。大手チェーンほどその辺の手続きが煩雑なので、少し時間が掛かるんです。

退職金も然りで、小さな薬局だと「中退共」っていう退職金制度のところがほぼ全て。いったん退職扱いになります。色々と就業規則の変更は手間が掛かるもの。

しばらく様子見後、転職する薬剤師が多い

つまり、半年、1年してから年収が下がり、大手チェーンとなってしまった会社を辞め、転職する。そういう薬剤師がほとんどでした。年齢が50代以上とかだと残る人が多いんですけどね。

もちろん今だって、しばらくは様子見、そういう人が結構多いかもしれません。しばらくは大手チェーン薬局に属し、機をみて転職すると。これは薬剤師も事務も同じ。

ただこれまでは「薬剤師不足で大手チェーンに合併する事になった」というケースが多かったものの、ここに来てかなり変化が見られました。

つまり、あまり儲けが少ない・不採算だから薬局を大手チェーンに売却してしまうというケースです。この場合、なおさら年収の維持は難しくなってきます。

ただそもそも薬剤師・事務の人件費が高いために採算が悪くなったというケースがほとんど。待遇が良くて働いていたはずなのに、それが逆に首を締めることになっていたという事なんです。

これは決して「あなた自身の人件費が高すぎた」訳では無く、少し経営手腕の問題ですよね。派遣薬剤師業界だって、相変わらず活発なんですから。

薬局がM&Aされるなら転職を視野にいれて働くという選択

薬局が吸収合併する事になって待遇が上がる、繰り返しますが、これは基本あまり無い事です。たいていは中小規模の薬局の方が、収入面だと待遇がいいですからね。

働きやすさ、仕事の自由度の面でも圧倒的に中小薬局。大手はノルマノルマで数字で仕事が測られます。

ただ、大手チェーンには大手チェーン薬局の良さがあり、福利厚生なんかは恵まれている事もあります。それは合併先の薬局次第ですよね。

合併後の福利厚生にあまり多くを求めない事

ただし、福利厚生にあまりお金を掛けてしまうのも、会社としては経費(福利厚生費)になってしまいます。だから大手とは言えども、しょぼい会社は残念ながらあり。

もっともこのご時世ですから、そこまで福利厚生にお金を掛ける企業も少なくなってるのが現状。お金よりも「連続有給休暇取得できます」など、働きやすさをアピールする薬局の方が多いですね。ドラッグストアも同じです。

私自身の体験からすると、薬局が吸収合併後しばらく働いてみて、嫌ならやめる。その方がいいと思っています。案外、継続して働く薬剤師・事務って多いですからね。

ただ、「明らかに年収が下がる見込み」の場合は、まぁ転職した方がいいです。どの道そうなるんであれば、早めに行動した方がいいという事。

収入以外の部分でも吸収合併で辞める薬剤師は多い

ただ薬局の吸収合併を機に退職してしまう薬剤師が多いのは事実!結構やっぱ辞めちゃいます。年収の問題もあるし、働きやすさの部分もあるからです。

さすがに50代以降の人は残る人がほとんどですが、20代、30代だと半数以上(あくまで私の感覚です)は転職してしまいます。

それは中小薬局だと自由だったものが、大手だと「マニュアル」的な業務に偏りがちになり、また、かかりつけ薬剤師のノルマだとか、そういったものが出てくるからです。

「ノルマ」なんていう言い方はしませんけどね。あくまで「目標」という形ですが。でもノルマですよね。

こういった部分は、「年収が下がる」とは別の部分。中小規模の方が薬剤師・事務とも好きな仕事、楽しく仕事が出来ていたのに、自由度が下がって仕事がつまらなくなってしまうからなんです。

また、大手チェーンだと「転勤がある」という可能性も多いのが、働きやすさの面で退職者が多くなってしまう原因かもしれません。

全国展開しているチェーンであれば、「全国勤務可」「エリアのみ」で区分される会社が多いです。転勤が嫌ならエリア職となって、手当などで収入が落ちてしまうのです。

注意!薬剤師の働く環境は変わっている!

ただ数年前までだったら「薬局が吸収合併か・・。まぁしばらく働いてから様子見て転職しようかな」っていうのでよかったんです。

つまり「保険薬局事業の景気が良い」なら、様子見という選択肢を取る事が最善でした。

しかし今は不採算で大手チェーンに薬局を売却、という流れがとても強くなっています。1,2年働いてからだと、2022年の調剤報酬改定による影響が見えないんです。

数十店舗あるような規模であれば、会社としての体力があるのであまり問題ないんですが、数店舗規模の薬局だと厳しくなってきましたよね。

やっぱり働きやすいのは、中小規模のチェーン薬局。収入がそこそこ良く、ある程度自由に働く事ができます。働いて楽しいのはこれぐらいの規模なのかなと。個人的な感覚なんですけどね。

やっぱり、3店舗以下の規模だとどうしても保険薬局業界、厳しい環境になってしまいました。薬局の吸収合併という話はこれからますます増えていくはずです。

・・・薬局がM&Aされても1年、2年働いて様子見ようかなと言うのが、結構厳しい時代に突入してきた。それは確実かもしれませんね。

2022年に近づけば近づくほど、時すでに遅しという保険薬局業界の環境と言えるかもしれません。

薬局が吸収合併されたら薬剤師・事務はどうするか?

簡単にですが、保険薬局の置かれた環境、吸収合併の人の流れ、大手と中小規模薬局の違いなどを説明してきました。

そこで「さてどうする」っというのが、一番の難題なんですよね。この記事の結論の部分になってきます。

少し薬局合併に関する薬剤師・事務のポイントをおさらいです。

  • 薬剤師・事務とも待遇はほぼ確実に下がる
  • 年収以外の部分でも働きづらくなる
  • 福利厚生は良くなるケース有り
  • かなりの割合で退職者が出る
  • 2022年には厳しい保険薬局の環境

もし薬剤師として転職しても、あまり小さい規模の薬局だと、また「吸収合併される」っていうケースはまれにあります。これはもう結果論。運が悪いとしか言えませんので仕方無い。

もし薬局がM&Aされてしまい年収(待遇)が下がるのが厳しい、というのであれば、これはもう転職を検討した方がベターです。

正直な所、大手チェーンからすると「M&A先の薬局薬剤師が辞めるのは想定済み」です。そういった理由もあって、新卒をはじめとし、積極的に中途採用も相変わらず続けていますよね。

「転職活動」というと、いきなり退職してから求人探しをする人がいるんですが、それは避けた方が無難です。

なぜなら「いい求人」が出るのは、結構運次第なんです。働きながら、半年以内くらいを目安に転職活動をするというのがベスト。

夏・冬のボーナスなどを貰ってから辞めるという形ですね。

私自身、いまは薬剤師採用をしてる立場なんですが、「1年後から働けます」とかだとちょっと採用は無理です。だいたい半年以内ぐらいを目途というイメージ。

1年後とかだと、新卒採用に力を入れてしまいますからね。薬剤師としての人数としての目処が立たないので面接も厳しいです。

薬剤師であれば、人材紹介会社の約1%しか認定されていない「職業紹介優良事業者」を選び、求人探しをする事がまずとるべき行動。

つまり、マイナビ薬剤師(求人数豊富)やファルマスタッフ(パート求人に強い)などに会員登録し、まずは相談してみる。薬剤師不足は相変わらずなんで、求人も多いです。

薬局事務、本社勤務であれば、リクルートエージェントを利用し、いい求人を少し探してみるのがまずは対策かなと言うところです。

半年以内に転職しようと思ってたけど、やっぱりいい求人無かったから大手チェーンで働き続ける、それもそれであり。

ただ、「様子見」もほどほどにして、早いうちから行動しておくのが備えとして一番とかなと感じています。

【関連記事】
薬剤師転職サイトの仕組みと利用前に注意したい事

大した私の体験談では無かったかもしれませんが、少し参考にしてもらい、将来に備えるという事が大切です。社会人人生、あと何年ありますか?

この記事のまとめ

大手チェーンに吸収合併されると「待遇面はほぼ確実に落ちる」。

それが納得行かないなら、まずは転職活動してみる方が良い。ただ、50代以降だと、転職しないという選択肢を持つことも大切。

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