転職

トンネル卸問題





医薬品卸の数というのは幾つあるんでしょう。

「医薬品卸売販売業」は都道府県知事による許可制であって、全国でどれほどの卸があるのか、具体的な数字が出てきません。
製薬企業もまた、薬を大手卸に販売するので、卸売業の許可をうけています。



数の多い、医薬品卸

卸売業者の数についてはネットで検索してもあまりはっきりとした数字は出てきませんが、たまたま見つけた、さいたま市のホームページにデータが載っていました。
ちなみに、さいたま市は、人口約130万人(2018年8月)です。

それを見てみると、薬局数は平成29年度に522薬局、店舗販売業(薬店)が220店。
そして医薬品卸売業は、平成30年7月時点で、約180です。多いですね。

医薬品卸が多いという事

薬局で働いていれば、納入される薬には当然値段が入っています。
しかしそこに値段が入っていない薬局もあるのです。
大手卸、例えばアルフレッサ(メディセオでもスズケンでもどこでもいいんですが)から購入したはずの薬であっても値段が入っていない。

なぜか。
それは、その薬局とアルフレッサの間に、別の卸売業者が入っているという事です。

トンネル卸

トンネル卸だなんて聞いた事がない人からすれば、なんじゃそりゃって感じかと思いますが、医薬品卸売業の許可を得ている、いわゆる幽霊会社です。
その実態はないものの、機能はしている会社という事です。

 

なぜトンネル卸なるものを作る必要があるのか。
それは誰かが金銭的に得るものが大きいからです。そしてそれが誰かと言うと、そのトンネル会社を運営している誰かという事になります。

トンネル卸を作る“メリット”

先ほどは、伝票に値段の入っていない薬を受け取るのを薬局としましたが、それは恐らく少数で、多くは一部の病院においてそのような行為が行われています。

大手卸A→トンネル卸S→K病院、この薬の流れでどうなるのか。

大手卸Aはトンネル卸Sに安く薬を販売します。そしてトンネル卸SはK病院にほぼ薬価で薬を販売。
そうすると、K病院は薬価差益の恩恵がなくなり、収入は落ちます。
収入が落ちると、当然それに掛かる税金が減る。

この話の流れから分かると思いますが、トンネル卸Sは、K病院と密接な関係があります。
トンネル卸Sの経営者は、K病院の経営者や親族であったりするわけです。

トンネル卸Sにも利益が発生しますが、決算日をずらしたり、税率の問題であったり、経費・退職金などであったり、交際費であったりと、様々な税務上のメリットを生む事が可能です。

まぁ端的に言うと、わざわざダミー卸を作ってまでして、積極的な節税を行い、金儲けの事しか考えていないような医療機関が存在するわけです。
一番最初に薬局を例に出しましたが、つまりはこの薬局も、医療機関の息が掛かったトンネル卸から薬を購入しているのです。
もしその薬局に転職しようと思っても、ぱっと見分かりせん。ホームページだって、いたって普通です。



病院

病院の経営は苦しいです。公立病院を中心に、赤字の病院は非常に多いです。
そのような中であっても、薬局まで作れてしまうような、もともと資本力のある病院、トンネル卸を設立してまでして多くの利益を得ようとするような医療機関の問題は、あまり語られる事のない現状。

そもそも、医療業界にはこういう実態があるという事を、もう少し広く知られるべきなんじゃないかと感じます。
具体的には書けないですけどね。法的にグレーなので。

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