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薬剤師と就職・転職活動

薬剤師が新型コロナ禍で転職活動する際の注意点って何?

新型コロナ拡大の影響を受け、薬局の経営が厳しいところが多い。薬剤師は、いまは転職しないほうがいい。」

確かに、人間関係・経営状況がとても良い職場ならその通りです。

求人だって、2020年のコロナ禍以前に比べ、特に東京都内は大きく減っています(2023年に入って回復傾向ですが、やっぱり以前より減ってる)。

でも、新型コロナ禍の影響があるから薬剤師は今は転職しないほうが良いって本当でしょうか?

これって私には、とても無責任な発言だと思っています。人間って「○か✕かで生きてる」訳じゃない。

言ってることは確かに間違って無いかもしれない。だからこそ「正論」は時に人を追い込むもの。

そこで私としては「新型コロナの影響を受けている時期だけど、薬剤師は転職活動をしても問題ない」という視点から、綺麗事抜きに本記事を書きました。

私は薬局で働いていて相当大変だったけど、それよりも病院やドラッグストアの薬剤師はもっと大変でつらい思いをしたはず。

また、コロナ対応によって努力をしたのに「ボーナスが出ない」なんていう病院や、パートの勤務時間を減らす対応をする薬局に留まる事は、将来が不安ですらあるもの。

そして今の職場がつらい薬剤師、たくさんいますよね。コロナという逆風に負けず、転職活動は前向きに考えてもらいたいと思っています。

「ウィズコロナの時代」を薬剤師が生き抜くヒントと、薬剤師の転職活動の注意点をまとめました。

この記事のまとめ

現実としてこのコロナ禍、「パートで16時まで勤務」とかだと転職はまず厳しいです。パート全体厳しいと言ってもいいでしょう。

ただ、正社員なら40代くらいまでなら大丈夫です。50代は厳しいですね。

大手の紹介会社、薬キャリエージェントに登録して、働きつつ転職活動する事。リスク0ですよね。最悪元の職場にとどまればいいからです。

※とりあえず動いてみて、自分に合った求人探しをしてみるのがベスト。

薬剤師からの辞めたい相談は「新型コロナだから転職しないでね」で対処

私は薬局で薬剤師の採用業務をしていますが、いま部下から「転職しようか考えています」と相談されたら止めます。全力で引き留めます。

どうやって引き留めるかというと「コロナの影響でどこの薬局も業績が悪化していて、転職先なんてないよ」と。求人が減ってるのは事実ですからね。嘘ではないです。

恐らく、ほとんどの薬剤師がそう言われたら、今の職場に残る事を考えるのではないでしょうか。だって転職先が無いなら、転職活動しようとすら思わないですからね。

本音は違う事もある

でもここで注意して欲しいのが、私の本音です。多くの上司の本音かもしれません。

もしその転職を考えている薬剤師が「50代で仕事が出来ないけど、年収800万超」だとしたら、おそらくはコロナの影響を理由には引き留めません。なんならコロナ関係なく引き留めないでしょう。

しかし、40代くらいまでであって、仕事を真面目にしてくれる「普通の薬剤師」だったら、辞めてもらっては困るんです。それが本音。

辞めたのなら他の薬剤師を採用すれば良い所かもしれませんが、やはり何年も自社で働いてきた薬剤師を手放すのは痛い。

薬局って大手チェーンだとしても、意外とローカルルールが多いし、他のスタッフとの関係や、かかりつけ薬剤師を推進するのも後退してしまうから。

確かに薬局の業績は2020年4月~6月までは、どの会社も悪いものでした。

しかしコロナも収束する兆しが見えないなか、「withコロナ」の中で薬局も運営していかなければならない事がはっきりしましたし、実際、すでに患者さんも戻ってきました(出荷調整の影響は大いにあるでしょうが)。

そのため、今働いている薬剤師には辞めてもらっては困る、それが一番の本音なのです。

「コロナだから転職しちゃダメ」が呪縛に

私は、自分が働いている薬局は結構働きやすい方なんじゃないかな、と思っています。だから、信頼のおける薬剤師には他社に転職して欲しくないです。それは偽らざる本音。

しかし、今の環境に苦しんでいる薬剤師に「コロナによる社会的影響で転職しない方がいい」なんて、無責任な事が言えるでしょうか?

確かにコロナ以後、転職が難しい職種もあります(参考:新型コロナ感染拡大の仕事や生活への影響による調査)が、薬剤師は比較的に大丈夫なのです。

派遣は厳しいものの、正社員・パートとして働きたいなら問題はありません。私はそれが言いたいと思い、この記事を書いています。

新型コロナ対応で働きやすさに明暗

2020年春以降、ニュースは新型コロナ禍で一色。薬局でも大変だったけれど、ドラッグストア、病院はより大変だったはず。

いや、そもそも薬剤師が転職を考えるきっかけって、むしろその他にこそ多いのです。それは以前から変わりません。

転職理由は人それぞれなので、詳細を述べる必要は無いかもしれません。

例えば人間関係であったり、働きやすさであったり、将来の不安もあるでしょう。

特に新型コロナ以後という事であれば、今働いている会社(薬局や病院など)の経営状況に不安を覚える薬剤師が多いのです。

そんな中、今でも薬剤師の採用を活発に行えている職場は、経営状態が良いとも言えます。もちろんただ急に退職者が出ただけかもしれません。

また、近年の傾向としては「新卒薬剤師がみな大手チェーンに入社してしまう」という状況が発生していて、特に中小規模チェーン薬局は全くと言っていいほど新卒採用が出来ません。

コロナの影響があるからと言って、大手チェーンは新卒薬剤師の採用を減らすことはなく、一層強化していく事でしょう。

2023年になって、それがより鮮明になってきました。

薬剤師のいい採用機会になっている状況

私が今の薬局に転職した当時、年収は450万円でした。それでもその時は「年収が上がって嬉しい」と思ったものです。でも今は薬剤師の年収ってもっと高いですよね。新卒だって600万出す薬局があるのです。

さすがに新型コロナによる経営への影響が大きい現状、「年収を600万から800万にしたい!」というのはよほど地方じゃないと難しいですが、普通に求人はあります。

これまでだと、年収600万を提示しないと採用出来なかった薬剤師が、年収550万で採用出来る、そう言った現状は確かにあります。

そういった意味では、いい採用の機会になっているのです。いい人材を比較的年収を抑えて採用することが出来るからですね。

その意味では「単に年収を上げたいから転職」という考えは辞めた方がいいかもしれません。

もっとも今の年収が低いのであれば、問題は無いです。病院から薬局への転職であれば、まず年収は上がります。

とは言え、地方は相変わらずの薬剤師不足なので、年収に関してもあなたの働く地域次第でいくらでも交渉が出来るので、一概には言えません。

すみません、年収の方に話が脱線しました、、、簡単にまとめると、都心部だと年収アップの転職は、このコロナの時期は難しめという事です(雑ですみません)

新型コロナなんて状況に負けない!薬剤師の転職活動の注意点

少し繰り返しになるんですが、コロナの影響関係なく、今の仕事がつらくて辞めたい、他の将来性のある仕事に就きたい、そう考える薬剤師も多い。

このような状況だからこそ、将来を考えるきっかけになってる薬剤師が多いんですね。やっぱり人生観が変わる人も多いんです。

転職活動で注意したい2つの事

「コロナの影響で業績が悪い薬局が多い、だから転職しない方がいい」に当てはまる人もいるかもしれません。それは年収アップ目的だけの転職(※病院からの転職は除く)。

だけどそうでは無いですよね。今の仕事がつらくて嫌になった、もっと働きやすい職場がいい、それはどんな時期でも生じる悩みです。

その悩みに対して「転職するな」はね、、、本当につらい言葉でしかないんですよ。無責任とすら思っています。

ただやっぱり新型コロナの影響があることもあり、この時期の薬剤師の転職活動には2つの注意点があります。

①働きながら転職活動をすること。

ちょっとシンプル過ぎるんですが、可能な限り働きつつ、次の職場探しをするのがベターです。ただ、精神的な無理は禁物です。

やはりコロナの影響で求人数が一時期より減ってる事もあり、もしかすると「今の職場の方がいい」という結論に至るかもしれません。でもそれならそれでいいんです。

転職活動をしたけど、やっぱり「転職はやめて今の仕事を続けようかな」これはよくあるケースですからね。なので、今の仕事が辛すぎて体調が悪いなどを除き、働きつつ、求人探しをしていくのが大切です。

②釣り求人に注意

あえて悪い言い方をします。特に自分で求人探しをする薬剤師が陥りがちな部分なんですが、結構「釣り求人」には注意が必要です。実際はもう募集していないのに、引き続き掲載されてる、などですね。

もっとも「人気求人」の場合は、早いもの勝ちという事もあって、自分が応募するより前に他の薬剤師が応募していても、一定期間、求人サイト内には掲載され続けるので仕方ない部分もあります。

ただひどい会社だと数年前の求人が引き続き掲載されていたりもするので、十分注意したい部分。注意というよりは「徒労」「時間の無駄」ですね。もはやコロナ関係無く永遠に見つけられません。

上記のように、コロナ状況下での薬剤師の転職活動は、自分で情報を取りに行くよりも、紹介してもらった方が何倍も確実です。

もうほぼ100%転職したいならば、以下の【関連記事】を参考にしてもらいたい所ですが、基本、大手の求人サイトを利用すれば問題ありません。

代表的なところとして、

薬キャリエージェント(働きやすさ重視)

ファルマスタッフ(薬局求人に強み)

で紹介してもらえば大丈夫。限定求人があるので2社程度利用したい所。

※もちろん、すでに利用している転職サイトがあれば、そちらを利用すればOK。

なお上記の会社のサイト内でも、人気求人が「掲載され続けている」ケースがあるので、自分で探すよりも、希望条件を伝えエージェントに任せたほうが安心です。

【関連記事】
薬剤師求人サイトの仕組みと利用前に注意したい事

ほぼ転職の意思が固い薬剤師は、上記の記事を参考にしてください。特に20代,30代など、採用需要の大きい薬剤師に読んでもらいたいです。

今の職場が限界なら、コロナの影響抜きに、転職は考える事が大切です。働き方は人生に大きな影響がありますからね。もしあなたに合った求人が見つからなければ、今の職場で働き続ければいいんですから。

この記事はこれで終わりですが、以下は私の忘備録的な記事ですので、お暇な方は読んでください。このコロナの影響が続く2020年春以降から推測する、薬剤師の将来についての個人予測です。

新型コロナ禍の影響により変わった薬剤師求人の傾向

これまで薬剤師の転職といえば、高年収を売りにしたものが多かったものの、そうした求人は大きく減りました。それは言うまでもなく、新型コロナによる経営上の問題。

そうした状況がいつまで続くのかは、新型コロナの動向次第。いつ落ち着くのか、という事ですね。でも落ち着きそうも無いですよね、、、。

しかし幸いに、2022年頃からは病院や薬局ともに経営は上向きに戻りつつあります。

それでも、薬剤師の転職活動における、大幅な年収増というのは難しい時代になったのかもしれません。

そうした傾向は恐らく2023年度以降にならないと、改善しないのかなと思っています。ただ、直近の調剤報酬改定はきつい物ではなかった事もあり、そうした部分が幸いしているのかなと思っています。増収の薬局も結構ありますからね。

まだ「まし」だったのです、本当に。

もしこれで2年に1回の調剤報酬改定が大きなマイナス改定だったとしたら、状況はより悲惨だったのかと思うと背筋が凍る思いです。コロナとのダブルパンチですからね。

薬剤師求人の動向ですが、派遣は非常に厳しくなってしまいました。ほとんど壊滅的で、派遣薬剤師をやめる人は本当に多いです。

私が働く薬局でも派遣薬剤師の利用はストップしています。比較的コロナ以後、正社員の採用がしやすくなっているのは事実なので、派遣を利用する必要が無くなってしまったのですね。

また、パート薬剤師もかなり厳しい状況で、特に東京都だと具体的にはお昼だけとか「人気が高い」求人はほぼ無くなりました。土日や、夕方以降も働けるのであれば全く問題ないんですけどね。

全体的な傾向としては、正社員は40代までくらいじゃないと厳しい。パートは「薬局の都合」に合わせて働けないと厳しい。派遣は難しい。といった所です。

といっても、地方は薬剤師不足しています。新型コロナの影響をもろに受けているのはやはり都心部。オフィス街にある薬局も多いですし、なにより薬剤師が集中し過ぎなんですね。

新型コロナ対応によって疲弊した薬剤師が増えた

特にドラッグストア、病院ですね。そこで働く薬剤師は大変な思いをしました。いや、薬局も大変でしたけどね、少なくとも私は。社会生活への影響は大きかった。

また病院では、薬剤師はコロナ状況では不要と言わんばかりの対応をする病院もあり、理不尽な思いをした薬剤師も多かったのではないでしょうか。

コロナを機に、病院から薬局に転職したいと思っている薬剤師はかなり多いはずです。もともと年収の不満や、人間関係でつらくなって病院をやめる薬剤師が多いですしね。

そういったつらい思いをしてきた薬剤師が「コロナの影響が大きいから転職しない方がいい」と言われたらと思うと、身につまされます。それだからこそ、私は転職活動をすべきだ、というこの記事を書きました。

やはり薬剤師って女性が多いこともあり、結構急な欠員が出ます。そうした求人を逃さなければ、転職出来ないなんて事は全くないんです。30代、40代の女性は正社員よりもパートの方が多いくらいですからね。どうしても穴が開く場面が出るのです。

というわけで、本記事は2023年1月に書きましたが、また夏にでも状況を見て修正してきたいと思っています。

一般生活社会、コロナによる影響で雇用に大きな影響が出て、一般の方向けに各種補助金制度が出ているのは周知の通り。

薬剤師、コロナになんか負けず、しっかり転職活動しよう!今の職場にとどまる事だって、転職活動の一つなのだ。

この記事で紹介した、薬剤師が利用したい求人サイトは以下。各社限定求人があるので、なるべく複数利用してよりよい転職活動をしてください。

まず大手の薬キャリエージェントを中心に、薬局求人に強いファルマスタッフを利用していきましょう。

転職するか悩んだら

2024年現在、「将来を考えると不安・環境を変えたい」そう感じていても、実際どうすればいいか分からない薬剤師は意外と多いもの。

◎今の職場はつらく逃げたい
◎年収など条件面を重視したい
◎成長できる環境に身を置きたい
◎つらい人間関係を早く解消したい
◎ワークライフバランスを重視したい

そんな状況から抜け出すには、相談して客観的なアドバイスをもらう事。そうすれば、また新たな一歩を踏み出すことが出来ます。

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