薬剤師と就職・転職活動

動物と関われる薬剤師の仕事は何?

薬剤師として知っておくべき動物用薬、なんてのは、たぶんないです。つまり仕事としても研究者レベルでしかありません。

あくまで私自身の興味の範囲内の内容です。若手薬剤師や実習生などに話してみれば、少しは面白いな~って思ってもらえるかもしれません。

調べると意外と、面白いんですけどね。


私が持ち合わせている知識はあまりないものの、多少これまでの経験や調べた事をまとめてみました。

なお、本記事をお読みいただいても「動物病院で薬剤師として働く」なんていう事はできませんのでご了承ください。

動物用薬は人の薬を用いる事がほとんど

さて、我が家で飼っていた以前飼っていた犬、コロちゃん、雑種という事もあり、至って健康でした。

しかし年齢には勝てず、15歳ほどになったころからは視力が衰え、運動能力も落ち、やや認知症かなと感じるときもありました。

動物の介護っていうのは実体験としても結構課題が多いものなのですが、それは今回は置いておきます。

ちょうど2年くらい前でしょうか、父がコロちゃんを動物病院に連れて行ったところ、心臓の薬をもらってきたよ、と言いました。

忘れもしない、その名も「エースワーカー錠」

俺、薬剤師なのに、聞いたことないな。まぁ当然なんですが。犬用の薬だなんて、フィラリアの薬ぐらいしか知りませんでした。

ただ心臓の薬であり、エースという響き・・ちょっと気になりました。成分を調べてみると「テモカプリル塩酸塩」とあります。ほう。

そこで、エースコールの成分を調べてみると同じ成分ではないですか(近年はあまり見掛けないので一般名知らず)

昔は薬によくキャッチフレーズがついていたものですが、最近は禁止されてるんでしょう。「エースの効き目」なんて、過大広告にあたる可能性があります。

もっともナロンエースの効き目は、OTCの中では少なくともロキソニンが出るまでは、間違いなくエースだったと思います。

今は開幕2カード目の頭、という所くらいでしょうか(分かりづらいですかね)

そいえばコロちゃんが怪我をした時、ゲンタシン軟膏なんかは、そのままヒトのものと同じものを処方されていました。外用剤などは、ヒトの製剤をそのまま使用される事も多いのです。

ちなみにエースワーカー錠の添付文書はリンクをクリックしてください。案外面白いものです。(※pdfファイルが開きます)

動物用薬としての開発はなかなかされない

動物用薬は動物のためだけに開発されることはほとんどありません。
主にはヒトの薬を適正量にし、試験し、製剤化してあります。

開発されない事、なぜならそれは、保険が効かず高価なため市場規模が小さく、多額の開発コストを考えると製薬企業も儲からないからです。

ヒトの薬を動物用薬に転用する事さえ、多くのコストはかかってしまうので、やむを得ないかもしれませんね。

もちろんヒトも同じ動物であると言うことを考えれば、厳しく臨床試験されたヒトの薬を用いることは、一定の合理性・安全性も確保出来るという側面も当然あります。

ここで一つの疑問は、犬用の薬を試験するのは、犬なのか?という事です。まぁ犬なんでしょう。

ちなみにペットとしての動物用薬は、犬と猫用しかありません。多く飼われているうさぎ専用の薬は無いです。

動物用薬の法的な扱い

さて薬として法的な扱いはどうかというと、これはヒトの薬とは異なってきます。

製造販売については薬事法の承認を受ける必要がありますし、もちろん薬なので薬機法に基づいているのですが、管轄は農林水産省です。

動物用医薬品等取締規則”には「専ら動物のために使用されることが目的とされている医薬品」と定義されています。

ヒトの薬は厚生労働省、動物の薬は農林水産省。とはひとくくりに出来ないのもまた難しいところで、動物でも例えば畜産動物に使用される薬であれば、薬の残留についても課題が出てくるので、厚労省や内閣府も関係してきます。

法律の話は眠たいですね。

こういう話が好きな方であれば、日本動物用医薬品協会のサイトをご覧ください。動物用薬の開発の流れが紹介されています。

薬剤師として動物に関われる仕事

眠たい法律の話をしたのは、実質的には動物用薬で薬剤師が携われる部分はここになるからです。動物用薬の管理薬剤師という事ですね。

ちょっとネットを見てみると、動物病院でも働き口がありそうな事もチラホラ書かれていますが、ちょっと考えにくい。

残念ですが、“薬剤師として直接動物と関わる事ができる”仕事は無い、そう思ってください。ただ年収300万円でもいい!となれば、動物病院でも喜んで雇ってくれること、間違いはありません。