一昔前、薬剤師資格をもっていても、ケアマネの資格をとるのって流行ってましたよね。2,000年代後半くらいだったかなぁ。
さて、介護保険制度は、1997年に制定された介護保険法に基づき、2000年4月1日から施行されました。
同法の施行に先立ち、1998年に第1回目の介護支援専門員(ケアマネジャー)の試験が行われたんです。
ちなみに第1回目の合格率は44.1%でしたが、現在は15%程の低い合格率となっています。受験者数も増えたので、合格者数が減った来たんですね。
ケアマネの試験資格変更について
ところでこのケアマネ試験ですが、近年少し受験制度が変わった事は知っていますか?以前に取得した薬剤師なら知らないかも。
かつて、薬剤師は試験科目の免除があったんですが、2015年からはそのような優遇措置はなくなっていて、全科目受験しなければならなくなったんです。
そもそも、受験資格についても2018年からかなり門が狭くなりました。
これまでは、例えば旧ヘルパー2級等で5年の実務経験があれば受験できたんですが、それでは受験資格を満たさなくなくなってしまいました。
介護という現場で長く働いていても実質的には、介護福祉士からケアマネジャーへとステップアップしてゆくことが求められる事になったんです。
そうした受験資格の敷居が低かったからこそ、昔は薬剤師がケアマネ取得するの、なぜか推奨されてたんですよね。
ケアマネジャーと仕事をする機会のある方であれば薄々感じてる人も多いと思うんですが、これまではまさに玉石混合という感じでした。今でもそうか・・。
新規で取得する人は、難しくなったって事ですね。
これはこれからの地域包括ケアシステムを進めていくにあたっては、より専門性を身に着けているケアマネがマネジメントを行うという趣旨からすると、歓迎すべき点ですよね。
でも昔に取得したケアマネがいる限り、近いうちには無理なのかもしれないですね。
ちなみに私もケアマネとったんですが、更新してないので今はケアマネじゃないです(笑)
参考に、以下2018年から変更された、ケアマネの受験資格です。
2018年からの受験資格(①②いずれかを満たすこと)
①国家資格等に基づく業務経験5年
※国家資格=医師,歯科医師,薬剤師,保健師,助産師,看護師,准看護師,理学療法士,作業療法士,社会福祉士,介護福祉士,視能訓練士,義肢装具士,歯科衛生士,言語聴覚士,あん摩マッサージ指圧師,はり師,きゅう師,柔道整復師,栄養士,管理栄養士,精神保健福祉士
②相談援助業務経験5年
生活相談員、支援相談員、相談支援専門員、主任相談支援員のいずれかの業務経験
薬剤師で薬局などで仕事をしていると、試験免除がないし、あまりケアマネをとるメリットは薄れていますよね。
むしろ、それぞれが、おのおの、専門性を発揮して働くことが求められてるんですね。
ケアマネの資格とっていた薬剤師が多かった理由
とまぁ、制度についてここ数年で様変わりしているという事を一番にお伝えしたかったわけなんです。
さて本題なんですが、このケアマネジャー、薬剤師で取得する方が結構いました。
特に制度ができたての頃、つまり2000年代というところ、薬剤師兼ケアマネジャーが半ば流行のような形なのか、制度理解のための学習の一環なのか。
それは人それぞれなのですが、なんとなく薬局に勤める者の風潮として意識が高かった方はおおむね受験&取得していた人が多かったんです。
しかし!ケアマネジャーは国家資格ではありませんし、受験費用も高いので、最近は新たに受験しようとする薬剤師もあまり耳にすることがありませんよね。
メリットもないわけなんですが。
またネックとなるのが更新制である事で、5年毎の研修と更新費もばかにならないのです。私は更新費がもったいなくて捨ててしまいました。
そのため当時ケアマネジャー資格を持ってた人でも、「薬剤師」として業務にあたられている方であれば、当然ケアマネの資格を生かした業務も行っていませんよね。
そうすると更新せず、資格喪失してしまう。そうした薬剤師が多くなってしまう事となりました。っていうかデータ無いんですが、ほとんどの薬剤師がそうなんじゃないかなぁ。
もっともケアマネジャーの年収が薬剤師を上回るものであれば違ったものとなったでしょう!確実に!
でも薬剤師として働く方がずっと実入りは良いので、今では「むかしケアマネだった」薬剤師がたくさんいるだけっていうような状況なんですね。
私もケアマネを持ってたので、過去の事情を知らない30代前半くらいの薬剤師からすると「えっ、すごいですね」なんて言われる事もありました。
でも、介護保険制度もどんどん変わっていく中で、なまじ「むかしケアマネ試験通った(※更新してない)」なんて言う事は、飛んで火にいる夏の虫。知識の無さを披露するだけ。
かえって身に火の粉がふりかかってしまうのでは無いかと言うほど、無知をさらけ出して恥をかいてしまう可能性があるので、あまり進んで「薬剤師だけど昔ケアマネだった」って言う人も少ないかもしれませんね。
ケアマネジャーの年収ってどれくらい?
せっかくなので、触れておきますが、ケアマネジャーの年収は350~450万円前後といったところです。都内でこんな感じなので、結構厳しめです。
これはケアマネジャーの上級資格である、主任ケアマネジャーを含めての年収なので、収入あっぷのためにケアマネをとるのは限定的。
ただ、介護職ということからすると、ケアマネは希少なデスクワークな事もあり人気がある職種です(でも送迎なんかも兼ねてる人が多いんですが)
ケアマネの年収が結構厳しめである理由は、勤める事業所や経験によっても左右される事にはなるんですが、担当する件数が39件を超えると、事業所として大きなデメリットが生じてしまうからなんです。
ざっくり言うと、介護報酬上、稼ぐ事のできる限界があるんです。薬剤師も(いまのところ)処方箋40枚制限がありますが、でも、なかなかこれに引っ掛かるような事態に陥る事はありませんよね。
薬剤師2人で80枚の処方箋をさばくとか、科目にもよるけど結構つらい環境。
また、受験資格にも記載した通り、基本的に入り口が広くとられているという事、それが年収を押し下げる大きな要因となります。
これは登録販売者で触れた記事の内容(過去記事)とも同じ傾向ですが、高度な知識が求められる試験や経験が必要にも関わらず、社会的な評価が十分になされていないと感じています。
ケアマネジャーという地域包括ケアの中で中心的な役割を行う必要がある職種であればなおさらです。
もっとも薬局薬剤師だって、介護保険とは違うけど保険財源の中でやりくりしてるから同じかもしれませんけどね。
ケアマネジャーの役割というものが今後ますます重要になっていく中で、その待遇のあり方という部分も大切です。でも厳しいのかなぁ。
もちろん優先すべきは介護職全般だとは思いますが、地域包括システム存続のためには、将来に対する不安要素となるのではないのだろうか?そう憂慮しています。
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