薬学部に通い、卒業もできる。
しかしあなたは、109回薬剤師国家試験に残念ながら落ちてしまった(可能性がとっても高い・・)。
みんなどうするんだろう、これからどうしよう、そんな気持ちでいっぱいだと思います。未来の事より、今、精神的につらいですよね。
「やまない雨はない」そんなのは慰めの言葉でしかありません。
みんな今の雨がつらいんです・・。
でもその経験は、必ずこれからの人生で大きな糧になります!
とは言え、どうするか考えなくてはなりませんよね。
「来年の薬剤師国家試験合格に向け、もう今から勉強を再開すべし!」って、そんなやる気なんか出る訳ないんです。
特に昨年に続き、の人はつらいですよね、、、。
いま、つらい。どうすればいいか分からない。それだけなんです。慰めの言葉とか、来年に向けてとか、今はなかなか考えられないはず。
でも人生って色んな事があるんです。しばらく休んで元気だしてくださいね。
※ネガティブに考えてしまう人だと「落ちたかも」と思ってしまう傾向が強いもの。自己採点で合格してれば、国試後からしっかり就活してください。
薬剤師国家試験に落ちたらどうするか?
薬剤師国家試験に落ちてたとして、どうするかなんてもう2択。それはあなた自身も良く分かっているはず。
- 来年の薬剤師国家試験に向けて挑戦する
- 薬剤師の資格は諦める
挑戦する事よりも、諦めるという事の方が結構難しい。
それまで掛かった学費もあるし、再度受験するなら予備校に通わなくちゃいけない。
来年100%合格する保証があるわけじゃないし、来年の試験時期にインフルにかかるかもしれないし、そもそも精神的にもキツイ。
ただ知っておいてほしいのは、薬学部が6年制だからとかではなく、4年制の時から国家試験に落ちたら諦めて就職する人は割といました。
製薬企業に内定が出ていた友達はそのまま就職できましたし、ひとまず一般企業に勤め、それから非薬剤師として公務員になった人もいます。
補足として「薬剤師公務員」ってあまりお勧めできないんです。定年まで勤める人は非常に少ない。一般公務員でも問題ないんです。
参考記事:公務員薬剤師の年収って、結局高いの安いの?
(公務員薬剤師のリアルな悲痛な声を拾ってます。薬剤師として公務員になるより、一般公務員の方がいいくらいかもです。)
もちろん4年制の時は、再受験する人の割合は多かったですけどね。
ただそもそもMRなどは薬剤師国家試験は全く関係ないですし、国家試験受かろうが関係ないわけです。
私が大学を出た時は「超就職氷河期」で、大学を出ても正社員になれる人って少なかったんです。決して、微妙な大学とかじゃなくても。
私の友達も、理学部を出て新卒で就職先ゼロ。数年間フリーターでした。それでも運よく正社員になれたけど、5年くらい掛かりましたね。
もしあなたが薬剤師国試に落ちたとしたら、それはとってもつらいかもですが、私の時代では大学を出てもフリーターがわんさか(今の40代ですね)。
ちょっと脱線したんですが、そんな超就職氷河期を目の当たりにしてるだけに、大学新卒(もしくは第二新卒)で求人があふれてる今の時代、ほんと恵まれてると感じています。
まぁその当時が異様なだけだったかもなんですけどね。
さて、ここで私が軽率に「来年の試験に向けて準備すべき」「諦めて就職しよう」なんて事は言えるはずも無く、あなた自身が決めなくちゃならない事です。
なんて言っても、あなたの人生なんですから。
ただ少しでも情報提供と言う形で、ヒントになればと思い、この記事を書いています。
- 来年の薬剤師国家試験に向けて準備する
- 薬剤師国家試験は諦める
この2パターンについて、簡単ですが参考記事になればなと思っています。
来年の薬剤師国家試験に向けて準備する
この場合はいつから次回の試験に向けて準備を始めるかです。
まる一年間予備校に通うか、半年通うか。これは各予備校によってコースが様々なので、学費の兼ね合いも含め検討です。
もちろん通学できない方向けに、オンライン講座もあります。
主な薬剤師国家試験の予備校
・薬学ゼミナール
・メディセレ
・REC
・ファーマプロダクト
割とこういう一発試験の薬剤師国試は、直前(年明けから)の追い込みが大切なので、いつから準備を始めるのがベストか、言えません。
学費の兼ね合いもありますしね。というか、それが一番大きいですよね。奨学金の問題を抱えてる人もとっても多いし。
すでに大学に奨学金を使って通っていたならきつい話ですが、国家試験合格後に数年勤める事を条件に、奨学金を出してくれる企業もあります。
ちなみにですが、以前私が務めていた小さな製薬企業は、薬剤師の上司が大学費用も全て会社もちでした。今はあまりないでしょうね。
合格後に勤務すれば実質無料で予備校に通えるわけですが、もちろん再び国家試験に落ちてしまったら、単純に借金が残るだけです・・・。
それは割と重い事実なのは確かなので、もし興味がある場合は慎重に検討してみてください。あと少しで合格だったのに、という人ならいいかもしれませんよね。
予備校の学費はおおむね100万円ほどは見て置いた方がいいです。
やっぱり金銭的に厳しいのであれば、夏くらいまではある程度バイトしつつ勉強、という事も考えなくてはならないかもしれませんよね。
もちろん、お金の問題じゃなくて「もう資格はいい」と思う割合の人が多いのもまた事実。そうであるなら、就職活動はすぐ始めた方が良いのは間違いありませんね。
薬剤師の資格は諦める
6年間大学に通い、この決断をするのは勇気がいる事です。実際、薬剤師とは違う仕事をするにしたって、薬剤師免許を持っておいた方が、何かと「安心感」はあるのは本音でしょう。
ただこれからの時代はこれまでと少し違って、女性であれば「子育てが落ち着いたら時給2,500円でパートで働く」なんていう時代は終わりつつあります。
それは薬剤師が増えていくからというよりも、保険薬局の数が減少し、必然的に薬剤師の雇用の受け皿が減っていくからです。
私40代の半ばの薬剤師ですが、正直この先20年以上、薬剤師として生き残っていく自信はないです(笑)あぁどうしよう。
もちろん、薬剤師資格の「価値」が今後どうなるかは予測できませんが、少なくとも増大していく事はまずないと考えた方がいいですよね。
ところで薬剤師の資格をもっていると「薬剤師の資格を生かした仕事」に縛られてしまうというジレンマがあります。
つまり薬局や、ドラッグストア、病院などです。その範囲内でしか就職・転職しようとしません。
もちろん今は薬剤師は初任給も高く就職のしやすさがあり、またパート時給も高いのですが、しかしやりたい仕事に就こうと思えない状況に陥ってしまいます。
ちなみに私は一回薬剤師を辞めたんですが、まだ景気のいい時代だったのでまだ薬剤師をやっています。
もしあなたが薬剤師資格を諦めるのであれば、「諦める」という概念はきっと捨てた方がいいです。ネガティブな言葉になってしまいますからね。
どーんと、前向きに考えること!
視点を変えれば、全く違うフィールドで働ける事ができる、あなたがその立場にいられる事は、薬剤師資格を持ってしまうと案外出来ないものなんです。
薬剤師ではないにしても「理系の大学を卒業」という肩書があります。世の中どんな資格よりも、若いという事は大きな武器です。
少子高齢化の影響により、人手不足で困っている企業は山ほどあるのです。初任給はもちろんドラッグストアなんかより落ちちゃいますけどね!
もし1歩違う世界を見てみたいのなら、20代で既卒向けの就職支援会社を利用してみてください。以下3つ、少し特長をあげてみます。
ちなみにまだ「迷っている」段階であるなら、「就職Shop」「ウズキャリ」あたりに登録しておけば大丈夫。
簡単な面談を通してどんな求人があるのかな?という情報収集からスタートできます。
来年の薬剤師国家試験まではまだまだ時間があります。ここで一度頭を冷やす、違う世界を覗いてみる事、それも気分転換になるかもしれませんよね。
私自身はこうした就職支援サービスを利用したことが無いので、詳細は各公式ページで確認してみてくださいね。
いずれも大手の会社で、求人をたくさん紹介してくれるのが特徴です。
どことは言えないですけど、変に某大手チェーン調剤薬局に勤めるよりもよっぽどいい求人があるかもしれません(それも悲しい事実ですけど)。
正直、「大手ドラッグ」「調剤薬局」などは「誰でも内定とれる」んですが、一般就職なら多少の面接対策が必要で、こうしたサイトは利用必須です
就職Shop
人材紹介業最大手の、リクルートが運営で安心。卒業が決まっているけど就職先未定、既卒者や第二新卒(就職後すぐ退職してしまった方)向けの、就職支援サービスです。
何よりも求人数が非常に多いのが特徴で、一般企業への就活も検討しているのなら、ここ1社の利用でも問題ないです。
特に大手企業に就職したい人向けと言えるかもしれませんね(あまり田舎だと難しいかもしれませんが)。
相談対応など、支援体制は確実なのですが、例年は面談場所が限られています。
でも今は「オンライン面談」という形で対応してくれるので、細かな就職希望などもヒアリングしてくれますし、安心のサポートです。
・就職Shop(公式サイト)
来年に向けてどうするかという問題もあると思うんですが、「まずオンライン面談をした上で考えてみる」のも良いかも知れません。
リクルート運営という事を考えれば、利用はこの1社で十分とも言えます。
ウズキャリ
ウズキャリもやはり同じく20代の既卒、第二新卒向けの就職支援サービスです。サイトを見てもらえれば分かりますが、離職率の低い仕事を紹介してくれ、安心して働きたい方向けです。
まず登録のみで利用する事ができますが、サポート力もあるので安心です。ひとまず様子を見てみたい方にはおすすめです。
特徴としては、徹底的に「ブラック企業を排除」していることなんです。
内定率低くない?と思う人もいるかもしれないんですが、大卒、第二新卒ならアドバンテージが大きいサイトですね。
マイナビジョブ20’s
積極的な就職活動をするなら、上記いずれかの会社と併用しておきたいのが「マイナビジョブ20’s」です。こちらもまず悩んでいる方におすすめのサービスです。
マイナビ運営なので求人数ももちろん豊富で、どんな人材が求められているかも良く分かります。ただ拠点が限られているので、手厚いサポートを受けられる方が限定的なのがデメリットです。
・マイナビジョブ20’s(公式サイト)
あなたが求人豊富な都心部(東京・埼玉・千葉・神奈川・愛知・大阪・京都・兵庫)、そのあたりで就職したいなら利用価値大です。
補足で求人情報を手に入れたい人に
上記3社、ある意味前を向き「いったん薬剤師国試は置き、将来を考える」受験生に向けて、必ず利用して欲しいサイトです。
こうしたサイトは、残念ながら薬剤師は諦める場合には絶対に欠かせないサポートサービスだからです。
ただ、「もう少し様子見ようかな・・」という場合は、情報収集だけでもしておきたいですね。
未来を決めるのはあなたです
社会で生活していると突然不条理な事がおきます。それまで順風満帆であっても、病気一つで人生は何が変わるか分かりません。
あなたが何を大切にしたいか良く考えてみてください。
あくまで薬剤師資格を取得するという強い意志も大切ですし、切り替えて新たな道を進む事も間違いではありません。
国家試験に落ちてしまってつらい中で、これからどうしようか考えるのは難しいでしょう。
やまない雨はありませんが、その雨が今、冷たい。でも雨は必ずやみます。前を向いて次のステップを踏み出しましょう。
合格者できそうな人も、残念だった人も本当にお疲れさまでした。
だいぶ前のツイートで印象に残ったものを引用させて頂き、これまでの努力にまずは自分自身褒めてもらえればなと思います。
105回生に内定を出した薬剤師さん、
薬学部・予備校の先生方、
105回薬国試を受けた家族・知り合いがいる方へ国家試験難しすぎて、
かなり大勢の人が絶望を感じました。
解いていて、精神的に辛かったです。合否に関わらず
ここまで頑張ってきた105回生を
どうか労って頂けないでしょうか。— スープ☕︎ (@mogumogusoup) February 24, 2020
もし私が国試落ちて金銭的に厳しめなら……いったん一般企業に就職して、公務員目指すかなぁ。それが将来安定してそうな気も(「薬剤師過剰になる」というのをポジティブに捉える)。
薬剤師資格取得を目指すことを諦めるのではなく、働きながら少し将来を見つめ直してみる事も考えても良いかもしれませんね。