薬剤師と就職・転職活動

薬剤師不足なのに会社が薬局を増やして苦しんでる場合は要注意!

自分の働く薬局・ドラッグストア、チェーン展開してるという事もあり、薬剤師が足りてないのにさらに店舗を増やそうとしていてつらい。

これは一部の大手チェーンに存在している紛れもない事実です。

薬局業界紙を見れば、自分の働く会社が「増収増益で好調!」なんて書いてある。でもそこで働いている自分たちは疲れるばかりですよね。

私自身、薬局ではマネージャーのような形で働く一労働者。それでも何となく思うことがあるので、今後の保険薬局業界について推測を交えて少し書いてみたいと思います。

大手チェーン薬局・ドラッグストアは相変わらずの出店攻勢

2020年度の調剤報酬改定、比較的厳しくはないものになりました。「薬局を半減させて病院前の景色を変える」どころか、しばらくは今と同じ状況になりそうですよね。

これって働く薬剤師にとっては少し難しい問題で、薬局数が減れば薬剤師不足が解消されて、働く環境が楽になる。いい事です。

でも逆に薬局が減りすぎてしまうと、今度は「薬剤師余り」の状況になってしまいます。

そうすると年齢の高い薬剤師がリストラされたり、年収がカットされたり、ましてや今の環境が悪いから転職、なんて言うことも難しくなってしまいます。

言うまでもなく、6年掛けて薬学部を卒業した新卒薬剤師の就職先も、薬局やドラッグストアでさえ狭き門となり、卒業したけど薬剤師として働けない・・なんていう時代が到来してしまいますよね。

私が大学を卒業した20年近く前から「薬剤師は余る」なんて言われ続けていたんですが、いよいよ現実のものとなると結構つらいです。

薬剤師不足が解消して欲しいけど、余って欲しくはない。そんな気持ちです。「そうそう!」って思ってくれる人もいるはず。

薬剤師特有なんですが、転職して年収が上がっていきます。大手チェーンに新卒で入って真面目に働き続けるのが、一番お給料がさみしい状況。

そういう私は転職を何度も経験したお陰で、チェーン薬局で働く立場としては今かなりの年収です。さすがに年1,000万はいかないですけどね。

これ、別に自慢してるわけじゃなくて、40代、50代になってこの年収をもらってると「リストラ候補にいつか上がってくるんじゃ」なんて不安が出てくるんです。

今でもそんな「薬剤師は転職で年収があがる」ような状況下、大手チェーンは出店攻勢が続いています。中途採用も相変わらずの活況です。

幸い私自身は「出店攻勢」するようなチェーン薬局で働いてないので大丈夫なんですが、客観的にみるとかなり危うい状況なんじゃないのかなと思うんです。

それはそのチェーン薬局にとってではなく、その会社で働く薬剤師にとって。

薬剤師不足なのに大手チェーンが出店を続ける理由

新卒薬剤師が就職先に選ぶ薬局・ドラッグストアは、誰もが名前を知る会社ばかりですよね。大半の学生はそういった会社を就職先に選びます。

これはやっぱりイメージ戦略や採用にお金を掛けているから。そして何より「増収増益」で安定している会社ということも、学生に選択される大きな理由です。

それはもちろん「いつ潰れてもおかしくない薬局」になんか、誰も勤めたいとは思いませんよね。仕方ないです。ただ大手チェーンが増収増益を続けられる、その一番の理由は出店攻勢とM&Aです。

10年前に比べ、全薬局数に占める大手チェーンの割合はかなり増えてきました(といっても1/4程度なんですけどね。多くの薬局は小規模です。)

これは、大手チェーン薬局・ドラッグストアによる出店攻勢とM&Aによるもの。

  • 出店増→大手チェーンが増える
  • M&A→中小が大手チェーンに

上場している大手チェーンとしては、「増収増益を確保する」っていうのは結構大事な事で、それは株主のためという側面が結構強いんです。

増収増益を続ければ、さらに株主が投資してくれ、会社を拡大できる。利益もさらに上げることが出来ますよね。利益を上げられればさらに設備投資に回せます。

ただ、結構働く薬剤師にとってきついのは、株主には配当金を会社が払っているっていう事。自分たち・・薬剤師には賞与などでもあまり反映されません。

あるのはせいぜい「かかりつけ薬剤師を頑張った」なんていう、ノルマをこなした成功報酬のみ!

具体的な社名を出すのは控えますが、某最大手ドラッグストアは25%、大手チェーン薬局でも20%。年間の利益を株主に還元しているのです。
※この割合のことを、株式用語で「配当性向」と言います。

そうしたチェーンで働く薬剤師の環境は悪くなっている

もちろん、自分の働く会社が利益を上げていることはとても大切な事ですし、雇用の安定という部分につながります。でも働く環境としてはどうでしょうか。

薬剤師が少ない、不足しているのに、新規出店を繰り返し店舗数が増えていく。現場で働く薬剤師は疲弊しているんです。

2019年4月に出された、0402通知(pdf.ファイルが開きます)によって、事務による調剤補助が事実上OKとなりましたよね。これまではグレーだった部分がクリアになりました。

それによって、さらに薬剤師は少ない人数で薬局を運営させられるようになったと感じています。実際、大手チェーンを入社1年目にやめてしまう薬剤師は非常に多いんです。

そうした株主の方ばかり見るような大手チェーン。薬局で働く薬剤師を大切にしない会社に果たして未来はあるんでしょうか?

答えはYesですよね。

薬剤師不足なのに店舗を増やす会社の未来は明るい

そうした薬剤師が足りてなくて働く環境が悪いにも関わらず、新規出店やM&Aで店舗数を増やす会社の未来。これは経営的には非常に明るいと言わざるを得ません。

そう、経営的には!

いま学生に調剤併設ドラッグストアへの就職がとても人気です。面で処方箋を受けてるしOTCも万全。将来の薬局像として良い面が多い、そういった事も将来性を感じさせる要因なのかもしれません。

ただ、街中で見掛けることって多いと思うんです。調剤併設ドラッグストアだったのに、調剤室が暗く営業を辞めてしまった所。

あれってやっぱり「儲からないから閉めて」るんです。処方箋が多く来るなら必死で薬剤師を確保するので、薬剤師が足りないから閉めた訳じゃないんですよね。

そんなこと私が言わなくても、薬剤師だったら誰でもわかるはず。

そのことが意味するのは、将来的には調剤併設ドラッグストアを中心とした大手チェーンは、不採算店舗の閉鎖を容赦なく進めるだろうという事。

今はいいんです。でもいずれは必ずやってきます。保険薬局事業が大きく厳しくなる将来が。そういった時に、増収増益とはいかない状況になります。

なんだかんだ薬剤師の人件費って高い。それはたぶん、将来も変わらないはず。

保険薬局事業が衰退を見せた時に切られるのは薬剤師ではなく、店舗(薬局)なんです。イコール、薬剤師が切られるのと同じなんですけどね。

500店舗あったうち、不採算だから10%にあたる50店舗の薬局を閉局させる。そうなるとそこで働いていた薬剤師はどうなるか?

大都市近郊で他に薬剤師として勤務する場所があればいいですが、そこでも過剰となってしまうのであれば、その店舗でOTCを売るだけの薬剤師になってしまうんです。

それでもまだ調剤併設ドラッグストアであればマシであって、チェーン薬局であれば、ほかに行く先は無くなってしまうのです。結構怖い未来。

ただそうする事により、「会社としては」生き残る事が上手にできてしまうんです。

そうした会社に勤めてるなら黄信号

うちの会社はどうして薬剤師の確保が出来ないのに、店舗ばかり増やすんだろう・・。そう思っている薬剤師がいるなら、結構要注意。

会社としての将来は明るいかもしれませんが、一薬剤師としての将来が明るい事とは同じでは無いんです。

じゃぁどういった会社選びをすればいいのか?これは結構難しいんです。

単に推測で「〇〇がおすすめ!」なんて簡単な未来予想図を描くことなんて出来ません、たぶん誰も。

ただ、大手チェーンが運営する赤字店舗は、それが処方箋集中率が原因なのであれば、譲渡され小規模薬局や個人が独立するなどで年間でいうと黒字化するケースが多々あります。基本料の関係ですよね。

もちろんそれも10年後、20年後どうなっているか分かりません。今はまだ、小中規模の薬局には比較的手厚い調剤報酬制度です。

薬剤師としてスキルを人一倍身に着ければ生き残れる可能性は大きいでしょう。

それでも働いていた薬局が無くなってしまう・・残念ながらこれには勝てません。

「地方でもどこでも転勤出来ます!」というスキル??を持つことが出来たなら、唯一の強みかもしれません。家庭を持つと難しいんですけどね。

でも転勤族が増えるような将来、それが大手チェーンには見えてしまうんです。偏見かもしれないんですけど。

地域密着型の薬局で働くのが本来はベストです。かかりつけ薬剤師だって、地域密着型の薬局だって、やっぱり地域に根差してるのが強いし生き残っていきます。

もし今住んでいる地域に愛着があるなら、少し働く環境を見直してみるのもいいかなと思うんです。

あぁ、不安な将来!私の会社は店舗増やす様子は無いし、なんとかなるかな・・・。きついなぁ。

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