さて、リフレックスとレメロンの、ジェネリック医薬品が発売されました。
「Meijiもジェネリック出すようだけど、AGじゃないの?」そんなあなたの疑問に迫っていきます。
リフレックスとレメロンの違い
添付文書に大きな差はありません。コピペ丸写しにならなように気を配っているな、という程度です。
◆リフレックス添付文書(pmda)
◆レメロン添付文書(pmda)
リフレックス(Meiji Seika ファルマ)、レメロン(MSD)は併売という形で販売しているので、添付文書は代わり映えしない、それは当然の話ですね。
そして、インタビューフォームの方も、これまたコピペ丸写しにならないようにしないとな、というレベルの仕上がり具合です。
違いは「薬の名前・外観と、製造販売元が異なる」それだけです。
リフレックスとレメロンのシェア割合
ここは正確な数値が出せません。
まず、明治ホールディングスの2019年3月期第2四半期決算短信では、各医薬品についての詳細な売上金額には触れられていません。
ちなみに、薬価改定がありながらも、ビラノアやシクレスト等の貢献で、堅調な業績推移を辿っています。
他方、MSD社はご存じの通り、2003年に万有製薬を完全子会社化していています。
つまりは日本で上場などしていませんし、アメリカ系の外資系子会社といった状況であるので、レメロンの売上高というのも開示されていません。
「ねぇ・・何か知ってる?」
という事でリフレックスとレメロンが、どれだけのシェアで各医療機関において使用されているかのデータが見つかりません。
仕方がないので、MSさんや、MRさんに、まぁこそっと聞きにいきます。それが手っ取り早い。(むしろ決算短信など見る前に聞くべきでした)
だいたいの話を総合すると、全国的に見てリフレックス8割、レメロン2割といった(伝聞ですよ)様子です。
これはもう薬局どうこうでは無いので、発売時にMeiji Seikaファルマが頑張った、その後も頑張った、という事なのでしょうね。
リフレックスとレメロンの共同開発経緯
これはインタビューフォームを読むと分かります。
「ほとんど同じ」インタビューフォームですが、そこには開発の経緯が記載されています。以下レメロンのインタビューフォームより抜粋です。
日本においては、1987年日本オルガノン株式会社(現 MSD株式会社)が第Ⅰ相臨床試験を開始した後、日本、欧州で同一治験実施計画書を用いて、フルボキサミン(対象薬)との比較試験が実施され、有効性が示されました。その後、明治製菓株式会社(現 Meiji Seika ファルマ株式会社)との共同開発を開始し、
この後、プラセボ対照二重盲検比較臨床試験、長期投与試験を行い、有効性・安全性が確認され、
これらの結果に基づき、2009年7月に「うつ病・うつ状態」を効能・効果として製造販売承認を取得しました。
リフレックスのインタビューフォームも、このあたりの開発経緯に関する記載は当然、同じです。
流れはざっと以下のようになります。
- 現MSD社が先に第Ⅰ相臨床試験を開始
- 現MSD社が日本、欧州で対照薬との比較試験を実施
- その後、Meiji Seika ファルマと共同開発
- 各臨床試験を行い、有効性と安全性の確認
- 各社、製造販売承認をそれぞれ取得
レメロン製造のMSDは後発品の発売なし
レメロンを販売するMSD社は、自社でレメロンのジェネリック販売はしません。
他方、Meiji Seika ファルマは、リフレックスのジェネリックを発売します。添加物や製造工場も同じです。わざわざ他に委託する必要性は全くありませんからね。
(※製造販売承認は100%子会社の大蔵製薬株式会社が取得)
もし仮に、MSD社とMeiji Seikaファルマが共同でジェネリックに取り組んでいたとしたら、AGは簡単に出来上がったはずです。
リフレックスのジェネリック、【ミルタザピン錠「明治」】が先発品と同等であろうとも、開発の経緯、そして共同開発という経緯から、“抜け駆けして”オーソライズドとして売りだせない事情は、このあたりにあるのです。
じゃぁいったいAGって何だ?
中医協薬価専門部会(第137回)で以下の資料が出されています。13ページを参照してみるとよく分かります。
・https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000493896.pdf(pdf.ファイルが開きます)
「いわゆる」オーソライズドジェネリック・・・
明確には規定されていないんです。
つまり明確なジェネリック医薬品の区分として“公式に”AGが存在するのではなく、AGはあくまでも製造方法等の位置づけに基づき、名乗る事ができる。
たいていはAGであれば、そう名乗るでしょう。
AGとしてアピールしていくメーカーはとても多いですし、医師・薬剤師にとっても一定の価値のあるものと考える方は多くいます。
そもそも「リフレックスのAGあるのかな?」ってググってしまった人は、知識不足!
こうした知識って、知ってる薬剤師からすると「えっ、何言ってるの?」っていう話なんです。少し厳しめに言うと。
普段から情報収集は大切なものの、なかなか忙しいのが薬局やドラッグストアで働く薬剤師。
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まとめ
いわゆる大人の事情
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◎今の職場はつらく逃げたい
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