薬剤師と就職・転職活動

薬剤師は余る事はない(と思う・・・)

薬剤師は相変わらずの人手不足なのは事実で、薬局やドラッグストアにおいて今もなお、「薬剤師の確保」は急務です。

薬剤師不足で薬局が運営できず、売りに出さざるを得ない、っていうケースも、まだ地方ではとっても多いんです。

2019年、都内では充足している、なんて意見もありますが、全然足りてません。コストの高い派遣薬剤師も需要がそこそこ多いし、新卒の採用もとっても活発ですしね。

参考:https://pharma.mynavi.jp/

薬剤師の有資格者が増える事でそれが満たされるようになるのか、或いは、保険薬局そのものが淘汰され必要となる薬剤師が減るのか。

いつか解決されるでしょうが、後者なのは明らかです。では、その時をもって、薬剤師余りが始まってしまうんでしょうか?

ちなみになんとなくの結論として、人口減による処方箋枚数減少よりも、ポテトチップがいつの間にか枚数減に陥っている経済環境(語彙力)からして「たぶん心配はいらないよ」と言う事なんです。

最低賃金から考えさせられる薬剤師の給与水準と雇用

私が薬学部にいたのは「世紀末」と呼ばれた時代なんですが、その頃、1年間大手ファストフード店で働いていました。

その時の時給は760円。めちゃくちゃ安いです。肉を焼く油まみれで、やけども多いし、夏場のごみ捨て場などにはGの大群など、結構なもんです。

▼ちなみに飲食店におけるG問題は、安い店どうこうではなく、高級料理店であっても悩まされる課題ですので、そこは誤解なきよう。(マーカー引く程の事では無いですね)

さて、例えばですが、神奈川県のここ5年ごとの最低賃金の推移は以下になります。

1998年690円
2003年707円
2008年766円
2013年868円
2018年983円

最低賃金はあくまで法的な規制なわけですが、やっぱり私自身、過去に最低賃金+数十円レベルで働いていた訳です。

この時給感覚が残っているので、今でもやむなく牛丼でも食べて帰る際、店内に貼られた「時給1,100円~」などの募集広告を目にすると、高くてうらやましーなー、と思ってしまいます。

※東京都の最低賃金は985円(2018年)です。最も低いのは762円(複数県)。参考:東京労働局の東京都最低賃金リーフレット(pdf.ファイルが開きます)

ちなみにそのファストフードで働いた3年後には、新卒薬剤師として月給26万円の都内調剤併設ドラッグストアに就職してますから、薬剤師の給与としては今と大差ありません。

つまり最低賃金は上がっているのに、薬剤師の給与は上がっていないって事ですね。

つまり薬剤師の賃金は下がっています

・・・統計資料の問題から少し信頼性のおけないデータ(母数も少ない)となるので引用しませんが、少なくともここ20年間ほど、薬剤師の年収はほぼ変わっていないんです。

昔から病院は安く、ドラッグストアは高い。初任給も大して変わっていません。

もっともこれは薬剤師だけでは無く、国全体のデータでも、上がっているのは最低賃金くらいなもので、名目賃金・実質賃金は下がっています。(※物価の上昇に追いついていない)

つまり、賃金は変わっていないものの、日用品を中心としていつの間にか物価が高くなっている、もしくはポテチの枚数減などで苦しい。実質的な賃金が下がっているのはみんな実感している事ですよね。

※ただし現在、非常に低金利なのでそこは無視できない部分です。特に住宅ローンをここ数年で組んだ人にとっては、住宅ローン減税もあり、良い時代かもです。しかし、不動産価格が上がっている事には注意が必要。

やはり過去は儲かる商売だった保険薬局事業

保険薬局事業は平成時代の好況から一転、厳しい状況に差し掛かっているものの、賃金はこれまでずっと横ばいという事になります。

過去、今までいかに薬局経営が儲ける事ができていた商売か(他業種と比べ、成功する可能性が高いか)、よく分かりますよね。

令和という時代に突入し、約58,000ある薬局、そろそろ数は減少になるのは確実でしょう。その中でどう「薬剤師として」生き残っていくのかを考える事は当然ですし、みんな不安に思う部分なんです。

基本的には薬局の経営などに独創性など全く関係なく、「国がこうしろ」と言われたとおりの方針で運営していかないと生き残れませんよね。それが医療保険制度なんです。

また製薬企業から卸、薬局にいたるまで、産業全体が傾いていくのであれば、その中で一人勝ちなどという事は無いんです。(国のさじ加減ひとつで)全て傾きます。

もちろん、大手チェーン薬局の方が良い、ドラッグストアの方が良い、企業系列の薬局が良い、そういったメリットは存在しますよね。しかし、やはり傾くには傾きます。奪い合うパイ・・利益が小さくなっていきますよね。

つまり、薬局・ドラッグストアという、最大の薬剤師の受け皿が減少していくわけです。病院での採用数・年収が増えるとは考えづらいですからね。

割とまじめに、薬剤師として他の薬局・ドラッグストアに転職したいと思うのなら、そろそろラストチャンスかも??と思っています。

理由は3点あります。

①薬局事務スタッフはどのチェーンも非正規雇用が多くなってきている。
②私が採用していて、確実に求人を探している薬剤師が増えましたが、今はまだパート薬剤師が多い。(正社員なら問題なし)
③費用が掛かっても、あえて雇用の調整弁として派遣薬剤師を使う薬局が出てきた。

これはここ最近特に私自身が感じている事なので、あまり参考にはならないかもしれませんし、未来予測など出来ず、半年後には撤回しているかもしれません。

もし私もまだ身軽だったら転職するでしょうが、40半ばなのと、子供やローン、意外と身動きがとれないものです。(でもまだ20年以上近く働くんです、結構不安!)

薬剤師の雇用の確保はまだミスマッチ

今の薬剤師不足の穴埋めは、正社員の転職者か多少ミスマッチでもパート薬剤師、そして派遣薬剤師です。大手チェーンであってもそれは変わりありませんね。

また、事務スタッフの正社員は新卒でしか採用しない大手チェーンが多くなりました。

この事から、今後どういう状況で「薬剤師が充足した」というシグナルが点灯するのか、少し見当がついてきます。

薬剤師充足のシグナル点灯時期は?

保険薬局の性質・現行の調剤報酬上、安易に同一社内間でも異動させづらくなっているので、転職者を受け入れないという事はありません。

かかりつけ制度などで、特に正社員だと異動は難しくなっています。異動させると薬局の収益が大きく落ちてしまうから。

しかし、まず派遣は無くなります。無くなると言うか、「派遣として働く」薬剤師が激減します、これはほぼ確実。

すでに派遣から身を引く薬剤師が増えている

派遣という働き方は、今後も一定の需要が必ずあります。そのため、「派遣薬剤師はやめた方がいい」という意味では無いんです。

しかし利用側からすると高コストですし、将来的には、いずれ時給が下がります。

実際、たとえば「公務員薬剤師を目指そう」と思って1年、2年働くだけであれば、時給も高く、時間の融通が利き、もっともお勧めな働き方です。時給3,500円以上は目指せますからね。

稼げるときに稼いどこう、っていう働き方が出来るのは派遣の魅力。

もし私が20~30代前半で数年派遣で働こうとするなら、派遣会社としてはファルマスタッフ一択で、なぜなら親会社が日本調剤だから(それ抜きに、派遣会社の中でも高時給)。

もし何かあった際でも、引き続き薬剤師として働く事ができる環境(受け皿)があるからですですね。

参考記事:薬剤師派遣会社はどこがいいの?比較して使いやすさ順に解説!

いずれ薬剤師は新卒採用だけになる

基本的に、という注釈付きですが、薬剤師も新入社員しか採用しない会社が今後出てくる事は簡単に想像できます。というか、「そういう時代になるかも」とみんな思ってるはず。

ただそうなると、本来の薬剤師の離職率の高さから働く環境が急速に悪くなり、薬剤師不足になってしまいます。人員不足の補充ができないので。

つまり、新卒だけで薬剤師確保は極めて難しい事と推測できます。(そういった意味で、自前で派遣対応できる日本調剤は強いですね)

なんとなく日本調剤の提灯記事になりかかっていますが、しかし、就職先として人気があるかどうかは微妙です・・。ただ、企業としては強みがあるという事ですね。

パート薬剤師の今後

パート薬剤師も今は極めて良い条件で就職する事ができます。例えば、週3日:9~13時まででよい、などという働き方ですね。

働く際に雇用契約を結んでいるので、一方的に反故にされる事はありません。

逆に週20時間で働いていた薬剤師が「子育てが落ち着いたので、週32時間にしたい」といった申し出が断られてしまう可能性は、今後増えてくるかもしれませんよね。

薬局は少し特殊な業界で、パートの穴埋めを正社員がしています

一般的な感覚は「正社員の穴をパートが埋める」です。残念ながら、この感覚を薬剤師は全くと言っていい程、持ち合わせていないんです。

ファストフード店で働いていたころ、閉店の22時まで働いていた訳ですが、みなアルバイトでした。社員はせいぜい20時まで。

もっともその後、その業界は24時間営業が全国的に始まっていく訳ですが、コンビニ含め、社員が夜間帯に勤務している姿はあまり見た事はないはずです。

薬局薬剤師は、もともと正社員よりもパート社員の方が長年勤務する傾向が強い業界です。パートの方が、時間の融通が利くし、時給も良く、近所の薬局に勤める事ができるからです。働きやすいですよね。

ちょっとだらだらと思う所を書いてしまったんですが、要するに、「派遣薬剤師の時給が下がる」「パート薬剤師を募集してない」というような環境になると、薬剤師の転職は厳しい時代を迎えたと言ってよいです。

人口減少によって働く世代が減る=薬剤師よりも別の道を選択?

新卒で薬学部を卒業する。そしてMR、また薬局やドラッグストアに勤務する。それが当たり前の時代でした。

ただこれからは、薬学部を卒業して、薬剤師をやらないという人は増えてくるはず。

そもそも私が薬学部にいた時だって、卒業後まったく関係ない職種を選択する人もいれば、国家試験に落ちたら落ちたまま企業で働くという人は多かったんです。

新卒は最大の武器、ですからね。

これから5年後、10年後、薬剤師を取り巻く環境は大きく変わっているかもしれませんし、変わってないかもしれません。

ただ、学生だけは、とっても身動きがとりやすいんです。普通に薬局に就職するよりも、一般企業に就職した方が待遇がよいケースだって非常に多い。

薬学生が別の道を選択した時

薬学部=薬剤師になるための大学。ただそうでも無くなってくる時代は、きっとやってくるでしょうし、薬学部の定員も減少する時代が来るでしょう。

自然と学生の数、そしてその後の進路選択によって、(もし店舗数が減ったとしても)薬局・ドラッグストアの雇用の調整が図られる事になりますよね。

とは言え、20年も前から「薬剤師余る余る」言われてるのに、全く余らないのは、病院をはじめ、案外うまくサイクルが構築されてるからかもしれません。

私自身、5年後には薬剤師余って自分の身も危ないんじゃないかなーなんて思う事もあるんですが、案外「5年後も人手不足」で困ってるかもしれません。(※薬剤師の採用をしているため)

だいたいそんなもんでした。ずっと「余る余る」言われ続けてきてますからね。まぁたぶん、大丈夫です。

だって大丈夫じゃなくなったら、薬学部に行く学生はゼロになり、結局人手不足ですから。

まとめ

というわけで、薬剤師は余る!将来不安!という事が結構言われ続けていますが、まぁ20年前から何も変わってないなぁという感じなんです。

もちろん実際、5年後には薬剤師余りの時代が来るかもしれない。それは分かりません、誰も。

薬剤師が増える事では無く、案外それは、AIやIotなど、テクノロジーの影響によってもたらされるかもしれませんね。

ただ将来を悲観してばかり、不安に思ってばかりだと楽しくないので、薬剤師はもっと仕事に前向きに、今の職場の不満があればしっかり解決し、元気に働く事。

それが一番大事ですし、働き甲斐のある薬剤師人生を送るコツなのかもしれませんね。

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