2019年10月1日より、薬価改定が改定されます。
これは消費増税に伴う処置で、一見すると「薬価が上がる」と思われる方もいるかもしれませんが、そうではないところが管理する側としては難しいところ。
単に増税だけを勘案するのではなく、実勢価格も反映させるので、2年に1回の(いつもの)薬価改定という側面も含んでいます。
実際の薬価改定について(2019年10月)
実際どのような形になるかと言うと、おおむね1/3程度の医薬品の薬価が上がり(消費増税相当分)、それ以外は引き下げとなります。
一律でと言うものでは無く、薬価が上がるもの、下がるものがあり、在庫管理については薬局・医療機関として、頭の痛い部分ですね。
厚生労働省から、すでに官報に掲載された資料が出ていますので、各医薬品卸からの情報とともに、活用をしてください。
以下、薬価の改定情報です。(いずれもpdf.ファイルが開きます)
・内用薬
・注射薬
・外用薬
これらのファイルは、厚生労働省のホームページ(の隅っこの方に)掲載されていますが、そちらにはエクセルファイルが同内容で掲載されています。
厚生労働省のホームページから探そうと思ってもなかなか見つからない部分なので、参考までリンクを紹介します。厚生労働省のサイトです。
・薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和元年10月1日適用)
・・ただなかなか、このデータを利用しても在庫管理という部分では「どうしていいか悩ましい」というところが本音。
もちろん薬価が上がるもの、薬価が変わらないものであれば、消費増税前に購入した方がメリットがありますし、薬価が下がる・・おおむね2%以上下がるのであれば、2019年9月末時点での在庫は絞った方がベターです。
取引のある医薬品卸からは、上がるもの、下がるものの詳細なデータが配布されているので、まだ手元にない場合は担当者までご連絡を。
2019年10月薬価改定の意味とは
薬価はこれまで2年に1度、改定されてきました。ただ毎年の薬価改定という局面に差しかかり、卸売り業、保険薬局、医療機関、様々なところに負担がきています。
薬価改定は単なる「値下げ」ではなく、実勢価格に合わせるという側面があります。つまり、医薬品卸から、薬局などに、実際に納入されている価格を元に、反映が行われるのです。
2019年10月の改定は、消費増税に合わせた処置ですが、それだけではない事は十分理解が必要ですね。
もちろん値引きにによって薬局の利益が確保できるという側面が大きく、薬局にとっては値引きは欠かせないものですが、医薬品卸にとっては過当な値引き合戦は長期的に見て非常に経営を苦しくさせます。
最近では大手卸を中心に、そういった過当な値引きは行われなくなりました。ただ地場卸を中心にやはり値引き勝負しているところもあるのが実情。
薬局であっても、卸であっても、無理に値引きを強いると言う事は長期的に見て業界全体を疲弊させるもとになっています。
医療機関、薬局としては、値引きに頼らない効率的な経営が求められています。ただ診療報酬自体も社会保障費を財源としているため、苦しい状況。綺麗ごとでは済まなくなってきているのです。
大手チェーン薬局では不採算店舗の閉店も目立ってくるようになりました。積極的な出店も相変わらずですが、それ同時に、閉店をする傾向は強まるはずです。
雇われの勤務薬剤師と言えども、しっかりと業界の動向を見据え、自分の働き方(正社員なのかパートなのか)を見つめなおす時期に来ているのかもしれません。
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