薬剤師と就職・転職活動

大手ドラッグストアの待遇が悪くなった件

大手ドラッグストア、ウエルシア薬局の年収が切り下げられ、厳しくなりました。

【2019.8.26修正】

▼紆余曲折あり、ウエルシア薬局は、エリア社員の給与は据え置き、全国異動できるナショナル社員の年収が100万円増の人事制度となりました。

▼そのため、大きな課題であった本記事の問題は解消されています。

▼ウエルシア薬局の労務管理は適切なものですが、こういった事態に巻き込まれないよう、法的な知識を身につける事も大切です。

▼以下当時の記録を残しておきますが、2019年現在、ウエルシア薬局は従業員にとって働きやすい環境に変わっているという事はご認識ください。

▼ただ人事制度変更により、待遇が下がった社員もいるのは事実です。

【訂正追記 2019.8.25】

情報提供を頂きました。ありがとうございます。(頂いたメールアドレスが異なるのか返信できず申し訳ありません)

現在、エリア職は減給のまま、全国で据え置き対応となっています。

また、具体的には記載を控えますが、賞与もエリア社員は一般的に見ても引き下げられている状況で、社員に厳しい環境となっています。

→人事制度の問題、社員の間では解決という認識にはなっていません。

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これまでは新卒薬剤師でも年収600万、などと非常に高年収を打ち出し、多くの薬剤師を獲得をしてきましたが、2018年に入り風向きが大きく変わってきたようです。

ウエルシア薬局の場合、表向きは人事制度の変更(による給与引き下げ)

ウエルシア薬局の年収の引き下げ、表向きは人事制度の変更というところですが、実際はその制度変更によって年収が上がる事はなく、下がるという事態になっています。どういうことでしょうか?

現社員から不満が噴出

大手ドラッグストアの年収は良いというようなイメージが学生にはついているようです。

「ドラッグストア 年収」などで検索すると、昨年以前の記事が上位に挙がってくるので、ぱっと見、いいイメージが引き続き残っています。そりゃ去年までは大判振る舞いしてましたし、そういったイメージもしばらくは残るんでしょう。

しかし現実はそうではなくなってしまいました。
もちろん、2018年4月の調剤報酬改定、これからの薬局環境を考えると、調剤併設をすすめているドラッグストアとしても、これ以上高給での人材確保は避けたい事なのかもしれません。

しかしそれは新入社員だけに限らず、いやむしろ、今働いている薬剤師に、特に大きな影響を及ぼしているのです。
例えばウエルシア薬局では2018年4月、新人事制度が導入され、いわゆるエリア職や総合職といった枠ができるようになりました。

エリア職は地域限定、総合職というのは全国どこへでも勤務できるというような扱いです。
これが例えば、入社時、例えば東京に住んでいる方が地方に行くという制度として本来あったのならば、納得性のあるものかもしれません。

しかし今現に働いている中で、急に全国勤務を選べるか否か、それによって給与に不利益が生じてしまう、というような形で選択せざるを得なくなるという状況は、まったくもって、おかしな状況です。

ふつーの企業であれば、入社時にエリアかグローバルか、を選択し、その後数年を経て、再度選択を行うものです。(その時に年収が下がるのは、合意の上のものなので問題はありません)

今回のウエルシア薬局では、住宅補助がカットされるなどの要素が発生し、年収で言うと1割ほど下がってしまうというような状況が多々発生しています(年収600万が550万てな感じです)

「いやいや、全国どこでも働きまっせ!逆に総合職を選べば年収が上がるよ!」
かと言うとそうではなく、それは据え置きのままなのです。

ウエルシア薬局で、エリア職とか総合職とかという違和感

ウエルシアの対応、ここでやはり大きな矛盾を感じてしまうのは、地域に根ざした薬局、というものの必要性ありきで保険薬局業界が進んでいる中で、こんな制度を今更、取り入れるという事です。

ただの一方的な人件費削減策とか、考えられません。

地域に根差して働きたい人の給与が下がる企業倫理

全国で働けるか、その地域に根ざして働けるか、保険薬局のあるべき姿とは逆を行く、全く納得性の無い人事制度。
まぁどんな企業だって、人事制度なんていうのは、常に社員から批判があるものですけどね。

人事制度自体の不満は普遍的??なものだと思っています。でもちょっとおかしいですね。
とは言えですね、目先の年収につられて入社した責任というのはね、その個人にあると思いますよ、私は。見る目がないというか。

しかし自己責任とは全く言えない労務問題

将来の薬局環境を考えれば仕方のないことなのかもしれません、という理屈は通用しません。これは明らかに、労働者にとっての不利益変更に他なりません。

だって、ウエルシア薬局だって、その関係会社(後述)だって、利益いっぱいだしてるんだもの。

社員の不満、いや不満で片づける問題ではないんですが、会社としてあるいは従業員として、この制度変更にしっかり対応したのか、それは相当な疑問が残るとこです。
不利益変更で訴えたらほぼ従業員が勝てます。

学生諸君、過去の口コミに気を付けなはれ

繰り返しますが、インターネットでウエルシア薬局の口コミを見ると、年収が高いというような記載が多く見られますが、その評判やどこから引っ張ってきたのか分からない年収データは、過去のデータなのです。

そしてそういった記事はご多分に漏れず、いつ記載されたのか分からないところに、もしかすると就活生が知らずに入社するという悲劇を招くのではないか?と思うのです。

調剤併設ドラッグストア、ある意味、保険薬局業界をこれから確実に引っ張っていくかもしれない存在、そういった会社がこのような対応せざるを得ないという事、自ら首を絞めているという事に気づかないもんでしょうか。

ただそれはつまり、今まで人件費がかなり大判振る舞いだったというところに他ならず、確かにこれまでは保険薬局との差別化が大きく図れ、多くの新入社員を獲得することができ、ブランド力も付きました。
そしてそれを保険薬局は、ただ指をくわえているだけでした。

給料の高さで薬剤師の入社を募る、これはもうとても素晴らしい戦略だとは思います。相変わらずに薬剤師不足であり、またドラッグストア人気が出たのも、こうした要因です。特に6年制になってからです。

余程の事情が無い限り、人事制度関係なく、不利益変更はアウト

しかし、こういった労働条件の切り捨てというものは、本来やむにやまれぬ事情、つまり業績赤字等であれば仕方がないものですが、増収増益の会社でこのようなことを人事制度として行うことは、本来あってはいけないこと、極めて慎重に行わなければならない事なのです。
(*人件費の総額が人事制度変更前後で変わりなければ、一定程度の不利益は、問題ありません)
従業員への不利益変更を甘くみているんじゃないでしょうか?

ここで垣間見える、微妙な親子関係

さて、ウエルシア薬局は、ウエルシアホールディングス株式会社が100%の株主です。

そして、ウエルシアホールディングスの株主は、イオン株式会社が50%以上を占めています。
50%以上を占める株主という事は、1番の権力を持っているという事であり、つまり社長を変えることができる立場ですらあります。まぁようは、言いなり。

イオンは好業績なものの、かたや地方の不採算店舗は撤退し、地元の小売店がつぶれたあとでは、ぺんぺん草も生えない状況です。

つまりここにはイオンからウエルシアホールディングス、そしてウエルシア薬局へと続く微妙な・・いや微妙ではない、強烈な親子関係が存在しているのです。
ワオンと叫びたくなります。

政治の問題も無関係ではない

ウエルシア薬局には労働組合があります。そしてイオンには有名な非常に大きな労働組合があります。

しかしその組合組織力の強さとはいったい何なのか、誰を向いて労働組合が存在しているのか、というところは大きく考えさせられます。

イオンの昨年度の決算は非常に好業績であり、またウエルシア薬局自体も増収増益で、非常に良いものでした。それは薬局業界にいらっしゃる方であればみなさんご存知でしょう。

会社全体が赤字であるならともかく、こういった状況の中で従業員の給料を下げるということ、そういったリスクというものは一切考えられていないんでしょうかねぇ。私は迂闊な対応だと思っています。

以前、薬剤師の政治への無関心について記事にしました。これは改善すべき事です。かたや、イオンの労働組合というものは非常に政治への取り組みが盛んです。労働組合なので、現野党応援です。それはそれで、まぁいいのです。

ただ以前の私の記事とは矛盾してしまうかもしれませんが、政治にばかり興味を取られるあまり、自分の会社のことを考えていないというような状況が生まれているのではないでしょうか。

政治活動ばかりであれば、何のための労働組合なんでしょう。

薬剤師が政治へ積極的な関心を持つということは非常に大切です。2019年の統一地方選挙。薬剤師として興味を持つことこれは欠かすことができません。

何が良い悪いということではない事は前提ですが、薬局業界としては薬剤師連盟、つまり現与党寄りの政策に期待するしかありませんが、一方で労働組合としては野党を応援しています。

推測ではありますが、ウエルシア薬局の労働組合でも、現野党応援とさせられるのは、イオンとの関係からしても間違いありません。

イオングループという非常に大きな母体。そして、こういった中で政治活動を行うこと、そこに歪みが生じているのです。興味を持つこと・・政治への興味を持つことは非常に大切です。

しかし、こういった同じ薬局薬剤師として働く中でも、微妙に立場が異なってしまうという現実、これを解決しないことには、全ての薬剤師がそれなりにでも幸せになること、手を取り合う事ができる事は、まだまだ遠い事なのかもしれません。

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